<レコチャ広場><尖閣の教訓2>検察の「外交的配慮」に、平然としている不思議な役所・外務省―日本

Record China    2010年10月18日(月) 22時13分

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2010年9月に発生した漁船衝突事件に端を発した尖閣諸島をめぐる中国との対立により多くの劇的な変化が日中間に生じた。「日本人にとっての教訓」という視点からシンプルに考察した。写真は中国最新鋭の巡視船と漁業監視船。

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2010年9月に発生した漁船衝突事件に端を発した尖閣諸島をめぐる中国との対立により多くの劇的な変化が日中間に生じた。「日本人にとっての教訓」という視点からシンプルに考察した。第2弾は外交当局の責任について。

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昨年末の中国の習近平副主席と天皇陛下の不規則会見時にも指摘したが、日本の外務省はいったい何をやっているのだろうか。この疑問を重ねて持たせてくれたのが今回の事件によるもう一つの大きな教訓だ。

外務省は給料分だけ働いたのか?

役所だけを悪者にして批判してればいいものではないことは分かる。重要性の高い、政治問題だから民主党政権のハンドリングが問われるのもまた当然だが、外務省幹部は年収1000万円以上の高給を食んでいる。たとえ政権党が変わっても的確なアドバイスをし長年培った外交チャネルを生かして国益のために関係悪化を未然に防ぐ、あるいは最小限にとどめる努力をするのが当然の仕事のはずだが…。

まずは海保の艦船に衝突して来た漁船長の逮捕時、次に船長の拘留延長時。いずれも尖閣諸島をめぐる対中関係では異例の強硬な日本側の対応なのだから、政府部内に情報が入った段階で、予想される中国側の反応や現実の反発を正確に政権に伝え、冷静な政治判断を導く必要があった。

丹羽大使の深夜呼び出しなど、中国側の強硬なメッセージを読み違え、誤った対応を導いたことはなかったのだろうか。

逆に、判断材料となる情報は適切かつ十分に上げたのに民主党幹部が判断を誤って今回のような混乱を引き起こしたとしたら、国民にとっては次の選挙のための重要な判断材料となる。外務省関係者は、何らかの形で情報を国民にフィードバックすべきだ。

さらに、船長の釈放時の対応が問題だ。日本は人治の国・中国と違って法治の国である。一度法的な手続きに乗った刑事事件が、腰の入らないいい加減な政治判断と介入によって中断することは内政的にも外交的にも百害あって一利もない。それなのにあのタイミングで突然釈放し、しかも中国側で拘束されたフジタの社員を即時解放させる大人の裏取引すらできていなかった。

以上の各場面で、外交のプロらしい輝きをみせる見せ場は何度かあったはずだが、結果を見る限りではその成果がうかがえない。外務省中国課は指をくわえて民主党の「政治判断」を見ていたのだろうか。検察が「外交的配慮」を国民に向けて解説しても平然としていたようにすらみえるのが不思議だ。

一方で、中国のような国を相手に邦人保護を行うのは大変な仕事だったとは思うものの、外交面で今回ほど情けない展開を見せつけられると、役所としての存在意義に疑問が湧く。あれは本当に政治家だけの責任だったのだろうかと。

そういえば、中国への渡航危険情報は特に今回の尖閣諸島をめぐる事件に触れていないが、「政治関係が悪化すると、突然えん罪で逮捕される恐れがあります」とでも注意喚起しないでいいのだろうか。(文章/NK)

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