2010年10月29日、韓国の李明博（イ・ミョンバク）大統領がこのほど、英フィナンシャル・タイムズ中国語版のインタビューに答え、「北朝鮮は中国の経済モデルを参考にしてほしい」と述べた。

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李大統領の発言は、今年3月に起こった韓国の哨戒艦沈没事件をめぐり、中国が北朝鮮への非難決議に反対したことで失望していた世論からは意外だと受け止められるかもしれない。しかし李大統領は、中国が公式に表明する態度は朝鮮半島の安定維持を目的としていることはわかると中国に理解を示した。そして「私は金正日委員長に現代中国をよくご覧になることを切に希望する。あなたが（北朝鮮を）世界に開放することで、その国家の繁栄がどのような変化を経験するか、その目で確かめて欲しい」と述べた。

コントロール・リスクス社のアンドリュー・ギルホウム氏は、李大統領の談話は楽観的過ぎると指摘する。「北朝鮮は全面的な改革を受け入れることはできない。中国は経済と政治の領域を分けることに成功したが、北朝鮮はもろい部分が多い」としたうえで、「金王朝の独裁政治が終結しなければ、統一は望めない」との見解を示した。

韓国人の大多数は祖国の統一を希望しているとされるが、北朝鮮の貧困や飢餓を立て直すのにかかるコストを心配する声も多い。韓国政府の試算によると、統一コストは約1兆ドル（約80兆円）に上るとみられている。韓国のGDPは北朝鮮の38倍だ。今年早くに、李大統領は国家統一後の建設コストに備え「統一税」導入を提案したが、これは北朝鮮が突然崩壊することを危惧する理由からではなく、韓国人が未来にチャレンジが待っていることを忘れないためだと強調した。（翻訳・編集/中原）