<レコチャ広場>日中教科書の「尖閣諸島」に関する記述の違い―中国

Record China    2010年11月1日(月) 22時10分

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10月31日、日中教育比較研究の専門家、王智新教授が「教科書の中の釣魚島」と題した記事を中国のブログサイトに掲載した。写真は北京のコレクターが所有する尖閣諸島が日本領になっていない地図。第2次大戦後、日本が出版したものだとされている。

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2010年10月31日、日中教育比較研究の専門家、王智新(ワン・ジーシン)教授が「教科書の中の釣魚島」と題した記事を中国のブログサイト・鳳凰博報に掲載した。以下はその内容。

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尖閣諸島に関する日本の教科書の記述には「沖縄県の尖閣諸島」のみや、色分けで日本の領土であることを示すにとどまるケースが多い。高木義明文部科学相は29日午前に開かれた衆院文部科学委員会で、自民党の下村博文議員による「我が国の固有の領土という記述が入っていない」との批判に対し、「教科書に明確に書くべきという意見をしっかりと受け止め、反映していきたい」と述べた。教科書検定などを通じて明確化を進めるという。

記述に関する議論は出ているが、日本の子供は小学校や中学校で日本の領土について学ぶ際、「尖閣諸島」が日本領であることをはっきりと説明され、排他的経済水域についても教わっている。ロシアとの北方領土問題や韓国との竹島(韓国名:独島)問題も同様だ。こうした教え方は70年代からすでに始まっているため、日本人なら誰でも「尖閣諸島は日本の領土」という認識を持っている。今回、下村議員が強調したのは「日本の領土」という記述の真ん中に「固有」という2文字を入れるべきだというものだ。

では、中国の教科書はどうだろうか?9年間の義務教育で尖閣諸島について触れるのは、中学2年生の地理の「祖国の神聖な領土―台湾省」の章が最初となる。しかも、メインは台湾の紹介で「台湾省は台湾島、澎湖列島、緑島、蘭嶼、彭佳嶼、釣魚島、赤尾嶼などの島しょおよびその付近の海域からなり…」という記述の中で「釣魚島」(尖閣諸島の中国名)の名前がついでのように出てくるのみ。領土問題などに関する説明は全くない。

それが出てくるのは、高校の地理の必修教科書。そこでようやく「釣魚列島(尖閣諸島)は昔から台湾省に属するが、現在は一部の日本人が勝手に建物を建てた」との記述が出てくる。地理の選択科目ではさらに詳しく「明代初期から中国領土である」と教える教科書もあるが、それを使うのは一部の文系の学生というごく限られた範囲となる。

ネットで調べたところ、地理の教科書は中国外交部が審査を行っていることが分かった。ある教科書の執筆に携わった人によると、尖閣諸島に関する記述はもともと大きく2ページを割き、日本の立場についても紹介したものだった。ところが、外交部がそれをバッサリと切り捨て、上述の内容にとどまったという経緯があるという。

外交部が教科書の審査という重責を負っているとは知らなかった。道理で彼らが本業の研さんに励む余裕がないはずである。(翻訳・編集/NN)

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