冬の電力不足、すでに慢性化=専門家が指摘―中国

Record China    2010年12月23日(木) 16時25分

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21日、冬季に入って中国の多くの都市が深刻な電力不足に陥っている。すでに電力の供給を制限する地域もあらわれている。写真は安徽省の炭鉱。

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2010年12月21日、米国営放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の中国語ウェブサイトによると、冬季に入って中国の多くの都市が深刻な電力不足に陥っている。すでに電力の供給を制限する地域もあらわれているという。

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大部分の都市で石炭や電力の需要が特に高まっている。電力配送国内最大手・中国国家電網ウェブサイトによれば、エネルギー不足は中国全土ですでに慢性化しており、特に河南省や山西省、河北省、重慶市が深刻な状況に陥っていると専門家が指摘している。

一例として環球時報が20日付で報じたところでは、陝西省は14カ所の主要火力発電所で備蓄石炭が4日分しかない。省内の工場や一般家庭には、電力供給を制限する旨の通知がすでに届いているという。省都の西安市では、1万2000戸が今後10日間にわたって、一部時間帯での停電を含む供給制限が行われる。

国内エネルギー業界の情報サイト・中国能源網の韓暁平(ハン・シアオピン)副総裁の分析によると、こうした電力不足は需要が急速に高まったことが最大の原因。欧米諸国のクリスマスシーズンも重なり、外需が急速に膨らんだことで国内の生産工場は年末の追い込み時期に入っている。また、南部で続く豪雪が、暖房としての電力需要を急激に押し上げた。江蘇省・浙江省では今季、住民の電力消費量が史上最高を記録している。中国の電力は75%以上が火力発電に頼っている。そのエネルギー源は石炭だが、石炭は寒冷地の北部で暖房源としても多く使われていることから、電力と石炭がともに不足しているのだという。

その他、政府による石炭価格抑制政策に反して石炭の生産コストが上昇しているため、多くで石炭減産の傾向があることや、政府のエネルギー政策により、低効率の発電所が次々と廃止されたことで全体的な発電量も低下してきていることが慢性的電力不足に繋がっているという。前出の韓氏は、今こそ石炭に頼らないエネルギー構造改革が必要だと提唱している。(翻訳・編集/岡田)

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