<このごろチャイナ・アート&A>動物彫刻など名品一堂に、陶器好き必見=「マイセンの300年展」―東京

Record China    2011年1月28日(金) 10時5分

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2011年1月、東京六本木で「マイセンの300年展」が開催中。日本宮のメナージュリ動物彫刻(写真は国立マイセン磁器美術館所蔵の「コンゴウインコ」)など名品が勢揃いしており陶器好きは必見だ。3月6日まで。写真=サントリー美術館提供。

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2011年1月24日、東京・六本木のサントリー美術館で「マイセンの300年展」を見て来た。今年ここの年会員になったのもこの企画展があったからで、マイセンはお気に入りのセラミックブランドである。

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時間が限られていたので、また出直すつもりだが、たくさん名品があったのはさすがだ。なかで今回特に目を引いたのは以下の3点だ。

1、日本宮のメナージュリ動物彫刻

2、スノーボール貼り花装飾ティーポット

3、ティタニアとロバ頭のボトム「真夏の夜の夢」より

3番目のアイテムは純粋に個人的な趣向で選んだのは、説明は除外するとして、1の動物彫刻は4年前にマイセン美術館を訪問した時にも残念ながら見ることができなかったものなのでとても印象深かった。18世紀のあの時代に最もぜいたくな磁器を使って動物の彫刻をするという、いかにも当時の最高権力者らしい発想も興味深いが、その出来がとてもすばらしく、単に動物だと認識できる程度の外形を整えたわけではなくそのポーズがそれぞれにアートをしているのが良かった。

2のスノーボールは異説もあるようだが、それまで中国の景徳鎮にはじまり、日本の伊万里をなぞってきたマイセンが自然を手本とした西洋的な感覚の造形を出し始める記念碑的なテクニックだそうで、どうも2次元の写真で見ると紫陽花のような小さな花が過度に密集してイマイチ美しくないかもしれないが、展示されている実物の繊細な細工はなかなかのものであった。

以前にも書いたような気がするが、中国で作り出された高火力と特別な材料を要する磁器が、日本で洗練された伊万里を通じて18世紀ヨーロッパでさらに高く評価され、そこで錬金術師までが動員されてコピーされた欧州最初の磁器マイセンがいまや日本を含む世界各地で高く評価されている。とても素晴らしい結びつきだと思う。

ほかにも19世紀半ばに始まったばかりのロンドン、パリの万国博覧会に出品された大型作品や陶製の絵画など、盛りだくさん。陶器好きには必見だ。3月6日まで。(文章/kinta)

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