冬はチョコレートの季節―これが近年、日本で広まっている認識のようだ。今シーズンも、さまざまな季節限定の製品がコンビニなどの店頭に並んだ。チョコレートは冬の季語にすらなった気がする。寒い季節でチョコレートが溶けにくく、また、季節的に濃厚な味のものが好まれやすいということなのかもしれない。冬季だけしか味わえない限定商品は、リッチで少し高級感のある味わいのものが多いようだ。日本の最新情報を他分野にわたって伝える中国唯一のポータルサイト・レコードジャパンは、きめ細やかな品揃えを誇るハイクオリティな日本のチョコレートについて紹介した。

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今回、店頭で目についたいくつかを試食した。

◆果実やスパイスを練りこんだもの

タバコサイズのスマートなパッケージに、スティック状のチョコレート。春を先取りするようなフレッシュな香りの苺がたっぷりと練りこまれ、あるいは、さらりとしたイチゴのコンフィチュールがダークチョコレートにくるんである。いわゆる昔懐かしい“いちごチョコレート” とは全く異なり、本物の果実により近い酸味があったり、フリーズドライのいちごのような粒感・果肉感があったりして、嫌みがなくさわやか。イチゴ風味のチョコレートは今冬、ひときわ人気のようだ。

指を汚さないように、包み紙に半分くるまれた状態で箱から取り出せるものもある。

冬の味覚らしく、ピリッとスパイシーな生姜を練りこんだチョコレートも発見した。こちらは辛味が少しもの足りず、もう少し大人っぽい味にしあげてほしかった。

◆アルコールの入ったもの

大人好みのエレガントなチョコレートが多いウィンターシーズン。子供だましの域では済まない、本格的なお酒風味のチョコレートも豊富だ。すでに冬の定番となったコニャック入りのチョコレートは今年も変わらず登場。口に入れると、シロップに混ぜ込んだお酒ではなく、ドライなコニャックそのものがサラリと流れ出す。アルコールが飲めない人なら1粒で酔っぱらってしまうかもしれない。喉がカッと熱くなるほど力強い味わい。これよりもさらに辛口なのが、ラム酒に漬けこんだレーズンがたっぷりと詰まったチョコレート。ブドウの甘さがかき消えるほどの辛みと、鼻腔いっぱいに広がる芳醇な香り。甘いものが苦手な男性でもつい手が伸びそうだ。

◆温度と口どけ感を重視したもの

かたすぎず、やわらかすぎもせず、口に入れると舌に絡みつくようにまったりと溶け出す。温度調節によって、そんな口どけ感を重視した商品も。指定された室温で一定時間チョコレートを置いておくと、最適の口どけが味わえるというもの。口に含むと、ヘーゼルナッツのような香ばしい香りが広がり、なめらかに舌の上を滑った。

◆雪をイメージしたもの

季節がら、ホワイトチョコレートや生クリームをふんだんに使用し、雪をイメージしたものも揃って登場。細かな気泡で膨らませたエアリーなトリュフは、まるで泡雪を食べているようにふんわりと軽やかな触感。口の中でブツブツと気泡がはじけ、チョコレートのべたつきを忘れさせてくれる。また、昔懐かしのミルキーキャンディの味を再現したホワイトチョコレートも、大人ゴコロをくすぐる。北海道産の生クリームをプラスしてよりリッチな味わいになっているものの、やさしい練乳の味わいは昔のままだ。

さて、日本では女性が男性に向けてチョコレートを贈る習慣になっているバレンタインデーが今年もやってきた。とはいえ、選びきれないほどのおいしいチョコレートが世界中から集まる近年、女性たちの目的は、男性への愛の告白よりも、自分自身がおいしいチョコレートを味わうことのようだ。多くの女性が自分用のチョコレートもあれこれと買うのが最近の傾向。また、ある大手菓子メーカーが中学生から40歳代のママまで600人に聞いたところ、今年、チョコレートを贈る相手は7割が「同性の友人」と回答した。続いて「男の家族」が5割超、「女の家族」が3割超。「恋人」はやっとのことで4位にランクイン。チョコレートを贈る主な目的は「日頃の感謝を伝える」が6割、「男性への愛の告白」としたのはわずか1％だったという。

これだけおいしいチョコレートが世に溢れていては、やはり色気より食い気になってしまうのだろうか。ちなみに作者は同性の友人にではなく、ちゃんと異性にプレゼントする予定ですが、自分も必ず、ひと口味見させてもらおうと考えています！ (文/愛玉)

●愛玉

東京出身＆在住の30代独身女性。つまり、毎日を自由気ままに暮らす“剰女（独女）”。留学・就業で中国在住経験も4年アリ。中国人視点から見てもおもしろいモノ＆コトを日々探し、ご紹介しようとアンテナを張り巡らせています。