貧困基準が甘すぎる!今月開催の両会で最低収入水準を倍額にする提案あり―中国

Record China    2011年3月5日(土) 15時43分

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3日、中国の「貧困線(最低限の収入水準)」が大幅に引きあがる一方で、その増加幅がGDPにまったく追いついていない現状が、今月開催される両会(全人代・全国政協会議)の議題に上る見通しだ。写真は雲南省の海抜3000mを超える貧困地区の子供たち。

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2011年3月3日、中国の「貧困線(最低限の収入水準)」が大幅に引きあがる一方で、その増加幅がGDP(国内総生産)にまったく追いついていない現状が、今月開催される両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議)の議題に上る見通しだ。東方ネットの報道。

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全国政治協商会議委員で包装資材メーカー・上海紫江企業集団 (Shanghai Zi Jiang Enterprise Group)の沈ブン(ブン=雨かんむりに「文」)氏は、貧困線を少なくとも現状の倍額にあたる年収2400元(約3万円)に引き上げる提議を行う。

1985年から2009年の24年間で、中国の貧困線は年収200元から1196元と倍額にまで成長した。一方、同じ期間の名目GDPは7780億元(約9兆7500億円)から34兆元(約426兆円)と43倍の伸びを見せている。沈氏によると、09年に引き上げが行われるまで、中国の貧困線は785元だった。05年のレートで換算すれば、これは1人当たりの日給が0.57ドルという数値。世界銀の定める同年の貧困基準1.25ドルを大幅に下回っている。

これは、中国が長年独自に設けてきた貧困基準が「1人当たり1日2100キロカロリー摂取できる食生活を維持する基準」であることに起因する。「中国の貧困基準は、ただ腹を満たせるかどうかの基準でしかない」と沈氏。これでは、1億人以上が貧困層の定義から漏れる結果となり、よって、政府による貧困対策への資金投入が鈍ることにつながる。なお、国連の定める「絶対的貧困」の基準は、「1日1ドル以下で生活している」状態を指す。

中国国際貧困扶助センター(International Poverty Reduction Center in China)によると、独自の貧困基準を採用する世界86カ国のうち、貧困層が最も少ないのは中国。09年の貧困率はわずか4.2%で、86カ国平均の37.4%をかなり下回る。

物価が急速に上昇する状況下、貧困線を引き上げることは多くの人の貧困救済にとって有効だと沈氏は主張する。「お腹を満たすだけではなく、教育や医療面で充実した国民の生活を目指すべきなのです」とした。09年現在、中国の貧困人口は4300万人と報告されているが、国連の推計では1億5000万人とされている。(翻訳・編集/愛玉)

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