何、この国営TV局自社ビルの設計は?「まるで外来生物」の酷評も―中国メディア

Record China    2011年3月7日(月) 13時41分

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6日、中国の著名建築家・潘祖堯氏が、現代の中国建築を酷評し、その特徴を「極端な欧米崇拝」「没個性」「高さと大きさ至上主義」とした。写真は国営テレビ局・中国中央電視台(CCTV)の新社屋。

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2011年3月6日、中国の著名建築家・潘祖堯(パン・ズーヤオ)氏が、現代の中国建築を酷評し、その特徴を「極端な欧米崇拝」「没個性」「高さと大きさ至上主義」とした。中国青年報の報道。

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その土地ならではの気候風土や地理条件、文化的バックグラウンドを無視し、とにかく「欧米陣の設計士にお願いしたい」という“デザイナー建築”で溢れはじめた近年の中国。潘氏によると、それは内陸の地方都市にも波及し、さらに悲惨な状況を呼んでいる。大都市で注目を浴びた建造物があれば、それは内陸都市で次々と模倣され、どの都市も次第に似たような景観で埋め尽くされ、地域色というものが失われてしまっている。規模の大きさばかりを競い、周囲の景観にまったく調和していない“超近代的な”建築。あるいは、伝統的建造物の外表だけをなぞった“クラシック風の”建造物。その精神性や成り立ちを学ばずに設計、あるいは再建されたため、ひと目で“焼き直し”と見て取れる。

近年になって世界の著名設計事務所が競ってデザインを手がけた、北京を代表するランドマーク建築群の中で、同氏が「唯一、まだましなほう」としたのは、08年の北京五輪で競泳競技に使用された「北京国家水泳センター」。通称“ウォーターキューブ(水の立方体)”と言われていることからもわかる通り、半透明の水泡に包まれたような印象的な意匠を持つ。この強い個性を持った建造物は、その周囲が一面の平地で、視界に伝統的な民家の類が見当たらないことや、“五輪”というしっかりしたコンセプトのもとに設計されていることから、まずまずのデザイン性とジャッジされた。

しかし、国営テレビ局・中国中央電視台(CCTV)の新社屋については「まるで外来生物のよう」と酷評。建築物単体としては優れたデザインでも、周囲の環境を含めて見てみれば、その存在は「あまりにも唐突すぎる」。天安門西側に立つ国立劇場「国家大劇院」については「過剰に現代的すぎる」。周囲に歴史の重みを色濃く残した建築が立ち並ぶ中、地中に半分埋まった円盤のようなデザインはどうにもマッチしない。また、交通アクセスなどについても全く考慮されていない。

同氏は73年に香港で自身の建築事務所を設立、81年にはアジア建築家学会の理事長に就任するなど、中国建築界の重鎮であるが、国内の若手建築家らに向け、「自国の伝統建築のエッセンスを受け継ぎ、世界の建築理念を学び、独自の思想と創造性を確立してほしい」とエールを送っている。(翻訳・編集/愛玉)

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