2011年5月末、中国の大手調査会社・CTR市場研究は広告費についての最新の調査結果を発表した。2011年第1四半期における中国国内の広告費は前年同期比17％増で、GDPの成長率9．1％を上回った。やや減速傾向であることは否めないが、むしろこれは市場が安定期に入ったことの表れでもあろう。以下は調査結果の詳細。中国の大手調査会社・CTR市場研究の特別提供記事。

【その他の写真】

■媒体別

TVが全体の79％シェアを誇り、依然として圧倒的首位。中でも国営TV局の中央電視台(CCTV)が23％、各省衛生TV局が28％を占めている。これは広告費の値上げに起因する。また、4％と微増にとどまったものの、各地でスポーツ関連の競技会開催の影響を受けた屋外広告の成長に注目。回復幅が最大だったのは北京市。また、8月に第26回夏季ユニバーシアードが開催される広東省深セン市は2年来で初のプラス成長に転じた。

1位・TV―1221億1800万元(約1兆5244億円)(+17％)

2位・新聞―158億5400万元(+13％)

3位・屋外(看板・液晶ビジョンなど)―71億9100万元(+4％)

4位・ラジオ―43億9900万元(+39％)

5位・雑誌―36億9400万元(+17％)

■業界別

成長率でトップだったのはPC・OA関連製品で42％増。前年同期に成長率ワースト5圏内だった金融(+39％)が一気に上位5位に食い込み、急成長を見せた。

1位・バス&トイレタリー―233億8700万元(約2919億円)(+13％)

2位・ビジネス&サービス―179億2700万元(+13％)

3位・食品―164億8800万元(+16％)

4位・薬品―146億9800万元(+9％)

5位・飲料―145億1500万元(+12％)

■企業別

国産家庭用洗剤ブランドのブルームーン(藍月亮)が初の上位10位圏内に。前年同期比114％という驚異の成長率だった。

1位・ロレアル(仏・化粧品)―22億600万元(約275億円)(+12％)

2位・KFCコーポレーション(米・ファストフードチェーン)―20億9100万元(+32％)

3位・オーレイ(OLAY)(米P&G傘下スキンケア用品)―20億6200万元(+13％)

4位・ワハハグループ(娃哈哈)(飲料)―14億8900万元(-12％)

5位・チャイナモバイル(中国移動)(移動体通信)―13億9400万元(-2％)

6位・伊利グループ(乳製品)―12億9500万元(-4％)

7位・サンチン・ファーマスティカル(三精制薬)(製薬)―11億9600万元(+31％)

8位・ブルームーン(藍月亮)(家庭用洗剤)―11億1900万元(+114％)

9位・マクドナルド(米・ファストフードチェーン)―10億7700万元(+29％)

10位・リジョイス(Rejoice)( 米P&G傘下ヘアケア用品)―9億3900万元(+31％)(翻訳・編集/愛玉)