Record China 2011年7月29日(金) 21時46分
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24日、浙江省温州市で23日に起きた高速鉄道の追突脱線事故を受け、中国人ブロガー、葛愛平氏が「無言の金メダル」と題した記事を中国のブログサイトに掲載した。写真は28日、事故現場で犠牲者を悼む遺族たち。
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2011年7月24日、浙江省温州市で23日に起きた高速鉄道の追突脱線事故を受け、中国人ブロガー、葛愛平(ゴー・アイピン)氏が「無言の金メダル」と題した記事を中国のブログサイト・網易博客に掲載した。以下はその内容。
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水泳の世界選手権で中国の飛び込み選手が10個目の金メダルを獲得し、これで中国は前代未聞の金メダル独占という快挙を成し遂げた。だが、筆者の心は晴れない。頭の中は一瞬にしてこの世を去った、子どもを含む35人の尊い命のことでいっぱいだからだ。あの日の晩、中国の高速鉄道は35人が死亡、191人がケガをするという大惨事を引き起こした。
ほんの数カ月前、その後汚職の疑いで取り調べを受けることになる当時の鉄道部長が鼻高々にこう宣言した。「中国の高速鉄道は世界一の速度を達成した」。だが、確かその年の正月にはまだ、「緑皮車」と呼ばれるエアコンのない旧式旅客列車が我が物顔で走っていたはずだ。それが突然、この「独自の知的財産権」が世界記録を達成するとは。まるで一夜にして何もかも変ってしまったかのような感じがした。
中国のスポーツの発展ぶりも似たようなもの。初参加した1984年のロサンゼルス五輪では15個だった金メダルが、2008年の北京五輪では世界最多の51個。ものすごい速さで成長している。両者に共通しているのは「挙国体制」、そして成果を追求するあまり民衆とかけ離れてしまったこと。本来であれば最も利益を享受するはずの人たちが蚊帳の外に置かれている。
出稼ぎ労働者にしてみれば、誰が1カ月分の給料を費やして高速鉄道に乗ろうと思うのか。親たちにしてみれば、子どもたちにはまともな競技場もないのに、何が金メダルなのかと思うだろう。世界最多の金メダルを手にする一方で、スポーツの知識すらない人も大勢いる。高速鉄道も表現方法は異なるが、似たような「悲喜劇」を引き起こしている。
もう何年も前から、筆者は金メダルと言われても何も感じなくなってしまった。我々と遠すぎる存在だからだ。そして、何の基礎も積み重ねもない中国の高速鉄道。あの時世界を震撼させたように、23日の晩もまた違う意味で世界を震撼させた。(翻訳・編集/NN)
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