2011年9月15日、中国の温家宝（おん・かほう）首相は債務危機に苦しむ欧州への投資拡大に積極的な姿勢を示した。その一方で欧州側にも譲歩を求めており、「友好的な恐喝」と評したメディアもある。16日付で環球時報が伝えた。

【その他の写真】

15日、夏季ダボス会議が遼寧省大連市で開幕した。オープニングスピーチに登場した温首相は「中国は依然として欧州への投資を拡大することを望んでいる」と発言。債務危機に苦しむ欧州に救いの手を差し伸べる意向を示した。

もっともこの申し出は単なる慈善ではない。「同時に以下の点を希望したい。欧州連合（EU）の指導者、欧州一部国家の指導者も戦略的に欧州・中国関係を考えること、例えば中国の完全な市場経済としての地位を認めることを求めたい」と温首相は言葉を続けた。

ダンピング問題など貿易摩擦が過熱する欧州・中国関係。「完全な市場経済としての地位承認」はきわめて大きな問題だ。あるEU関係者は「勃興する大国を制約するための最後のカード」と指摘、中国政府は「最も大胆な要求」を突きつけたと評している。ロイター通信掲載のコラムは「友好的な恐喝だ」と分析した。（翻訳・編集/KT）