2011年10月11日未明、中国・重慶市内のある歩道橋で未成年の少女が飛び降り自殺を図ったが、駆けつけた警官が両腕でキャッチし、2人とも無傷で済んだという事件が発生した。少女の命を救った警官の機転とすばらしい運動能力に、ネット上では称賛の声が挙がっている。チャイナフォトプレスの報道。

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重慶市で交通警察として務める王静（ワン・ジン）さんは31歳。11日未明、「飛び降り自殺を図ろうとしている少女がいる」との通報を受け、同僚数人とともに現場に駆け付けた。大雨の真夜中、歩道橋の上で傘も差さずに号泣している少女の様子は確かに常軌を逸している。王さんは少女に状況を確かめるが非常に興奮した状態で、少し刺激を加えれば今にも飛び降りを決行しそうな状態だった。

王さんは少女を刺激しないよう、遠巻きに観察することに。歩道橋や周囲の道路を封鎖し、万が一に備えて消防署にエアマットの支給を要請した。しかし、エアマットの到着が間に合わず、少女は宙に身を投げ出してしまう。周囲が動転して凍りつく中、王さんだけがとっさに駆け出し、なんと両腕で少女をキャッチしたのである。2人は無傷だった。

専門家によると、体重40kgのこの少女が高さ6mの歩道橋から落下した時の衝撃は600〜800kgと推算される。2人が無傷だった原因は、王さんが少女を受け止めた後、そのまま受け身の体制で地面に倒れこんだことにあるという。

王さんはかつてサッカーの経験があり、ゴールキーパーを担当していたという。警察に就職してからの10年間のうち、数年間は特殊警察に籍を置いていた。事件翌日、王さんは簡易投稿サイト（中国版ツイッター）で「かつての特殊警察、今は交通警察、それでも僕は僕なんだ！」とカッコイイつぶやきを放っている。

報道を受け、中国版ツイッターでは14日正午現在までに15万件近い関連ツイートを記録。王さんに対して「サッカー中国代表になってほしい」との声も挙がっている。

なお、自殺を図った少女は17歳。幼少時に両親が離婚し、ともに再婚。家庭には居場所がなく、中学卒業後はフリーターをしていたようだ。自殺を試みた原因はわかっていない。(翻訳・編集/愛玉)