佐世保配備の米強襲揚陸艦「ワスプ」、ステルス戦闘機運用に「空母2隻が日本常駐」と中国メディア警戒

Record China    2018年1月27日(土) 14時0分

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佐世保基地に配備された米海軍の強襲揚陸艦「ワスプ」。最新鋭ステルス戦闘機F35Bを運用するワスプについて、中国メディアは横須賀が母港の原子力空母「ロナルド・レーガン」と並んで「空母2隻が日本常駐」と警戒している。写真は中国の海軍。

2018年1月26日、佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備された米海軍の強襲揚陸艦「ワスプ」。ワスプは最新鋭ステルス戦闘機F35Bを艦載機として運用する。中国メディアは横須賀基地(神奈川県横須賀市)を母港とする原子力空母「ロナルド・レーガン」と並んで「空母2隻が日本常駐」と警戒している。

ワスプは約4万トンで全長約253メートル。海兵隊員約1600人を運ぶことが可能でヘリコプターや各種上陸用舟艇などを搭載し、敵前上陸作戦などに使われる。佐世保配備の強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」と交代した。

これに先立ち、ワスプは短距離離陸・垂直着陸が可能な海兵隊のF35Bを艦載できるよう改修。岩国基地(山口県岩国市)に配備されているF35Bの運用範囲が大きく広がる。対北朝鮮などを念頭に有事即応態勢の強化を図るのが狙いとされる。

中国網によると、ワスプについて中国の軍事専門家は「F35Bを艦載すれば、戦闘力は飛躍的に向上する」と指摘。「米海軍の第7艦隊は横須賀に配備されている原子力空母を加えれば、2隻の空母を日本に常駐させることになる」としている。

中国共産党中央委員会機関紙・人民日報系の環球時報のインタビューを受けた専門家は「米国の強襲揚陸艦はこれまでAV8Bハリアー戦闘機を艦載できたが、海兵隊による対地突撃の支援に用いられており、空戦能力は低かった」と説明。「F35Bを搭載することで、戦略に激変が生じる。F35のライトニング3兄弟のうち、F35Bは航続距離も武器積載量も機動性も最下位だが、従来の第3世代機に対しては大きな強みを持つ」と分析している。

さらに「F35Bは第3世代機を中心とする空の勢力と対峙(たいじ)した際に、米海軍のF35C戦闘機(正規空母搭載型)と協力するか単独で浸透攻撃、対艦作戦、制空権の制圧という重要任務を遂行できる」と強調。「岩国基地に配備されているF35B(全16機)が艦載されれば、その対地・対艦攻撃および防空作戦能力は、ロシアの空母『アドミラル・ クズネツォフ』をはるかに上回ることになる」「ワスプは空母打撃群を形成できないが、一部の能力では空母打撃群2個の戦闘力を形成できる」とみている。

その上で中国網は「F35Bの配備の加速、ワスプのアップグレードと改造により、さらに多くの空母に準じる強襲揚陸艦が西太平洋に出現するかもしれない」と予測。同時に「F35Bは第3世代機に対してはまだ有利だが、各方面の性能は中国のJ20(第5世代のステルス戦闘機)に見劣りする。戦闘中はワスプというプラットフォームだけに注目するだけで、接近を防ぐことができる」と対処に自信をのぞかせている。(編集/日向)

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