【週末美術館】寄生

Record China    2011年11月26日(土) 14時28分

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まだ20代の若き女性アーティスト・劉巍然による作品シリーズ「寄生」は文字通り、寄生することで命をつなぐ昆虫をモチーフに、ポストコロニアル文化の特徴を体現したものだという。

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女性作家特有のグロテスクさを持った作品である。まだ20代の若き女性アーティスト・劉巍然(リウ・ウェイラン)によるシリーズ「寄生」は文字通り、寄生することで命をつなぐ昆虫をモチーフに、ポストコロニアル文化の特徴を体現したものだという。

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他の虫のさなぎに卵を産みつけて、その栄養を奪って育つ昆虫がいる。あからさまな植民地支配が終焉を告げている現代においても、ITやデジタル技術の発達により、“文化的植民”は続いている。文化は伝播し、連鎖し、支配し支配される。友好的かつやさしい手段で進められる侵略。どんな政治体制を敷いた国であっても、このグローバル化の時代、文化的植民支配からはもはや逃れられないのだ。

もちろんこうした現象は、悪しき側面だけを持っているわけではないはずだが、長い間にわたって閉鎖され、近年になって急速に外界とのつながりを持ち出した中国のアーティストにとっては、それが脅威でもあり、危機感を抱く対象であるのかもしれない。少なくとも作品は、文化的融合を喜んでいるようには見えない。(文/山上仁奈)

●劉巍然(リウ・ウェイラン)

1983年生まれ、山東省煙台市出身。2007年、天津美術学院彫塑学科卒業。2010年、同大学院修士課程修了。卒業後は同大学で教師を務めている。中国彫塑学会会員。代表作に「寄生」「尺度」「透明」など。

写真提供:匯泰国際文化発展有限公司(中国・天津)

※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。

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