日本が低欲望社会に突入、経済的危機のきっかけとなる!?―中国メディア

人民網日本語版    2018年2月1日(木) 19時10分

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結婚しない、子供を産まない、簡素な生活を送る、というような「無欲」な状態が中国では「仏系」と呼ばれている。厚生労働省が発表したデータは、それが日本では懸念材料となっていることを示しており、日本が完全に低欲望社会に突入してしまったことを裏付けている。

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結婚しない、子供を産まない、簡素な生活を送る、というような「無欲」な状態が中国では「仏系(仏のように物事に拘泥しないこと)」と呼ばれている。日本の厚生労働省が最近発表した一連のデータは、それが日本では懸念材料となっていることを示しており、日本が完全に「低欲望社会」に突入してしまったことを裏付けている。 参考消息網が伝えた。

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■生涯未婚率が上昇中

日本の著名な経営コンサルタントの大前研一氏は著作で、「低欲望社会」について、「いくら物価が下がっても、消費を刺激することができず、経済が明らかに成長することもなく、銀行の利率が低くなっても、30歳以前にマイホームを購入する若者は依然として年々減少し、物欲や成功したいという欲望を失い、車やぜいたく品の購入が冷ややかな目で見られ、『オタク文化』が盛り上がり、1日3度の食事も簡単に済ませるという社会を指す」と説明している。

厚生労働省の最新の統計によると、少子化が一層深刻になり、人口の減少が加速しているとみられている。また、「嫌婚派」が現在、増加傾向にある。

厚生労働省の施設等機関である国立社会保障・人口問題研究所が昨年4月に発表した報告によると、2015年の時点で、生涯未婚率(50歳の時点で結婚をしないで未婚のまま独身でいる人の割合)は男性が23.4%、女性が14.1%と、過去最高を記録した。

つまり、日本の男性の4人に1人、女性の7人に1人が生涯未婚ということになる。

結婚しないということは、マイホームを買わなくてもいいということだ。日本では現在、「所帯を持って一人前」という伝統的な観念が若者から消え、借家に住む人が増加している。

家を買わない、結婚しない、子供を産まない、ずっと家にいる…。近年、高視聴率となっている日本のドラマの登場人物は、現在の若者のそのような姿を映し出しており、日本の社会ではそのような風潮が完全に浸透していると言えるだろう。

■責任を担うことを嫌い、「シンプル」が大好きな若者たち

では、日本人はなぜ「低欲望」になってしまったのだろう?まず、一部の女性は、「結婚すれば、仕事における自分の目標をあきらめなければならず、特に子供を生んでしまうと、仕事を辞めて家庭に入らなければならない」と考えていることが挙げられる。日本の女性は結婚後、仕事をやめて家庭を守ってほしいと期待される。調査によると、結婚して子供を産むという生活を望まない多くの日本人は、気楽で自由な独身生活を楽しんでおり、「結婚」によって束縛されることを嫌がっている。研究者は、「日本の伝統では、結婚して、子供を産み、子供を育て、高齢の親の世話もするというのが『一セット』。既婚者、特に女性にとって、結婚するということは、いろんな事がセットになってついてきて、負担になることを意味する」と分析している。

また、日本の経済が長年低迷し、安定した仕事を見つけるのが難しく、結婚後に男性が昔のように、大黒柱となって家族を養うのが難しくなっているため、専業主婦になりたいと思う人が減少の一途をたどっていることも挙げられる。そのため、経済的に自立し、余裕のある女性は、仕事を辞めて結婚したいとは考えていない。

独身の男女について研究を続けている社会学者・荒川和久さんは、2035年には日本人のほぼ半数が独身という「超ソロ社会」が到来すると予想している。

荒川さんは、低収入の男性と高収入の女性の未婚率が高くなっているという現象について、「低収入の男性は言うまでもなく、高収入の女性は経済的に自立しているため、結婚する必要はないと感じる。家庭を基礎とする体系は崩壊しつつある」と指摘している。

その他、ミニマリズム(最小限主義)が、日本人の物欲をある程度低下させている。消費主義を退け、本質を楽しむ風潮が人気になっている。日本の多くの若者は、「他人と比較して張り合うのをやめ、限りある収入を自分のために使い、見栄えの良い生活を追求することはしない」という生活の原則を受け入れるようになっている。

■低欲望社会が形成されると経済的危機もたらす

社会経済の発展という側面から考えると、低欲望社会は決して健全な現象ではない。そのような現象はドミノ倒しのように、産業チェーンにまで影響を及ぼし、社会全体に危機をもたらす可能性もある。

例えば、そのような風潮を背景に少子高齢化が深刻化し、日本の労働力不足や消費の縮小といった問題に拍車がかかる可能性がある。

嫌婚派の増加により、家庭消費が減少し、子供を産まない人が増加すると、育児関連の商品が売れなくなる。長期的に見ると、子供を産まない人が増えると、人口が減るという傾向に歯止めがきかず、労働力は不足し消費も落ち込む一方となる。

それだけでなく、結婚を望まない若者以外の若者グループも、シンプルな生活に慣れていることが、日本の経済にとっては逆風となる。例えば、マイホームや車が欲しいと思っている若者は少なく、長期的に見ると、日本の不動産業や自動車業界、家電業界にとっては大きな危機となる。

これらの問題を改善するために、日本政府は現在、各種政策を打ち出して、若者が子供を産みやすい環境を整え、一人でも多くの女性が働けるようにしている。さらには、独身の人と、子供を養う必要のある人との実際の収入の差を調整し、税金の面で公平感を出すために、高収入の独身の人から「独身税」を徴収することまで検討している。

しかし、「低欲望社会」というのは、短い期間で形成されたものではなく、それを解消するというのは一朝一夕に実現できることではない。日本の「仏系」からの脱出への道は、険しくて長いといえる。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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