北村愛子 2018年5月20日(日) 16時40分
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旧正月に日本に旅行に来た北京の友人からある写真を見せられ「このお城はどこのお城かわかりますか?」と聞かれました。写真は「旅かえる」。
旧正月に日本に旅行に来た北京の友人からある写真を見せられ「このお城はどこのお城かわかりますか?」と聞かれました。
そこには、ゆるいタッチで描かれた天守閣を備えたお城の絵がありました。聞くと、中国で大人気のスマホゲーム「旅かえる」の中の1シーン。日本全国をふらりと旅に出たかえるが旅先から写真を送ってくるのだそう。そこに写っているお城に彼女は行きたいと言うのです。
日本人にはあまりなじみのないこの「旅かえる」ですが、日本の名古屋の会社が開発したスマホゲームで日本語でのみ展開しているにも関わらず、4000万近くのダウンロード数があり、そのほとんどが中国大陸だというのです。ちなみに中国語名は「旅行青蛙(リュイシンチンワー)」。
旅かえるが持ち帰る日本の地方の写真はインスタ映えしているようなリアルな画像ではなく、ほのぼのとした旅かえると同様のタッチで描かれたゆるいイラストなのですが、なぜここに行きたいのか、私には理由がわかりませんでした。
しかし、現代中国のすさまじい競争や変化の中にいる中国人にとって、この旅かえるの自由気ままに旅に出かけ、お土産や写真を持ち帰るだけのシンプルなストーリーのみならず、このほのぼのとしたイラストにも癒されているというのです。
暖色系を使用し、絵のタッチはまるでサンリオの「ぐでたま」というキャラクターに似ています。そういえば、我が家の小学生の娘は 「すみっこぐらし」というすみっこにいるのが好きなだけの癒し系キャラクターが大好きで、学校でも人気があると聞いていましたが、この旅かえるはすみっこぐらしをほうふつとさせるものがあります。
これが写真だったら、あまり興味を示さなかったかも。と、彼女の言葉を聞いて、私はこのアプリで日本全国のPRができるのではないかと思いました。日本の地方を紹介するだけでなく、その地方のお土産なども紹介することができます。
また、子ども向けには旅先で使用できる簡単な日本語会話やお風呂の入り方、電車の乗り方など日本でのマナーなどを組み込むと勉強系ゲームとして展開すれば、教育熱心なママたちへの印象も良いうえ、実際に日本旅行に来る前の下準備としても使えます。
この4月にはアリババが旅かえるの中国語版の運営を開始するとニュースにもなりました。中国語版を作成し、中国国内旅行バージョンを作成するそうです。
中国人国内旅行市場や子どもをターゲットに三国志や世界遺産の勉強系も入れながら、こちらもヒットしそうですが、日本としてもまだまだやれることがあります。
アリババと組み、中国語で日本旅行のPRをするもよし、日本にいる中国語学習者向けに、中国旅行をしながら中国語を学ぶアプリにしても良いと思います。もちろん、本家の日本のアプリ会社としてMade in Japanやオリジナルが好きな中国人に対し、今後もさりげない日本語の日常会話を入れ込みながら、日本旅行にも使えるアプリとして発展させていくのも良いと思います。
残念ながら私自身はスマホゲームに全く興味がなく、ポケモンGOでさえ触ったことがないため、果たしてスマホゲームユーザーが勉強系コンテンツを受け入れてくれるかは不明ですが(笑)。
■筆者プロフィール:北村愛子
1976年静岡県西伊豆生まれ。大学時代に1年間交換留学で上海、その後仕事で3年半、上海に滞在。日本帰国後、中国人社長の秘書兼広報として約10年勤務。2016年4月に友人の中国人向けお買い物アプリの立ち上げに参画し、現在に至る。
1976年静岡県西伊豆生まれ。大学時代に1年間交換留学で上海、その後仕事で3年半、上海に滞在。日本帰国後、中国人社長の秘書兼広報として約10年勤務。2016年4月に友人の中国人向けお買い物アプリの立ち上げに参画し、現在に至る。日中子育て事情(日本語)日中子育て事情(中国語)訪日中国人買い物アプリ『J-GO』HP
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