日本が掲げた「温室効果ガスの排出実質ゼロ」は「非常に大きな挑戦」―中国メディア

Record China    2020年11月8日(日) 10時0分

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中国メディアの中国能源報は「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」という日本の目標について、「『非常に大きな挑戦だ』との見方が存在する」との記事を掲載した。写真は煙突。

中国メディアの中国能源報はこのほど、「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」という日本の目標について、「『30年以内の達成は非常に大きな挑戦だ』との見方が存在する」との記事を掲載した。

記事はまず、菅義偉首相が先月26日の所信表明演説で2050年までにカーボンニュートラル実現を目指すと宣言したことに言及。さらに「気候目標の実現に向け、太陽電池、カーボンリサイクルなど鍵となる技術の開発を加速させる考えを表明し、それと同時に長期にわたる石炭火力発電への依存というエネルギー構造を徹底的に転換する方針を示した」と説明し、日本が以前打ち出した排出削減目標について「適切なタイムスケジュールと具体的な措置が不足したことで各界の批判を受けた」と指摘した。

記事は、日本が「2050年までに80%の排出削減を目指す」としていたことを伝えた上で、ブルームバーグが「80%の削減目標を宣言した後、日本政府は業界から疑問視された。今回の目標引き上げは積極的なシグナルの発信だ」と報じたと紹介。一方、ロイターの報道をもとに「日本が目標を達成できるかどうかについて各界には依然、一定の疑問の声が存在する」と述べ、「あるデータによると、日本の二酸化炭素排出量は世界5位だ」「東京電力福島第一原発の事故を受け、日本では原発に反対する声が続出。化石エネルギーへの依存はますます高まった」などと伝えた。

また、ニューヨーク・タイムズの報道として「現在の計画によると、日本はエネルギー分野における石炭依存を低減させ、太陽光発電、風力発電の建設規模を拡大させる。それと同時に、原発も日本の未来のエネルギー体系の一部になる」と説明。その上で、「これまでのところ、日本政府はカーボンニュートラル実現に向けた具体的な道筋を明らかにしていない」と指摘した。

記事によると、ロイターは自然保護団体「グリーンピース」の責任者の話として「日本は実質ゼロ目標を掲げたが、将来のエネルギー体系に原発を含めるべきではない」と述べ、「福島第一原発の事故がもたらした結果は原発が持続可能な開発の一角を占めるべきではないことを示している」との考えを示した。また、ノルウェーの金融機関ストアブランドの責任者は、「日本のように石炭火力発電に大きく依存する国は、気候目標を掲げると同時に石炭の淘汰に向けた信頼できる計画を付帯させるべきだ」との考えを示したという。(翻訳・編集/野谷

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