Record China 2018年2月19日(月) 10時50分
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陝西省西安市の交通警察官が14日、駐車違反をしていた乗用車に「新年おめでとう」「本日は処罰しません」などと書かれた通知書を残したことで、中国では賛否の声が上がった。写真は中国の交通警察。
陝西省西安市の交通警察官が14日、駐車違反をしていた乗用車に「新年おめでとう」「本日は処罰しません」などと書かれた通知書を残したことで、中国では賛否の声が上がった。
通知書は、駐車違反の取り締まりになったことを示す公的書類だ。紙1枚から成り、警察官は車両ナンバーや車両の色や車種、取り締まりの時刻、駐車場所などを書き込む。その下の部分には、指定した期間内に指定した警察署に出頭することを求める文章が印刷されている。駐車違反の反則金を支払い、反則に対する点数追加を受けるためだ。
インターネット上では、西安市内で駐車違反をしていた乗用車に残された通知書の画像が広まった。取り締まり日時は「2018年2月14日10時12分」と記入されているが、違反場所の記入部分には「よい祝日を。本日は処罰しません」と書かれている。
さらに通知書の余白部分には「(西安市)唐延交通警察から新春おめでとう。規則に従って駐車してください」と手書きで書かれている。
地元メディアの華商報は15日、インターネットで同「通知書」に対する賛否の声が多く集まっているとして、警察側の説明を紹介する記事を掲載した。
地元警察に取材したところ「春節(旧正月、2018年は2月16日)を迎える時期で、交通にも影響が出ていない駐車違反だった」との回答だったという。警察はさらに、法律の厳格な適用と柔軟な運用を組み合わせた「人間的公務執行」だと説明した。ただし、「交通に重大な影響を与える違法駐車があった場合には厳格に処罰する」とした。
一方で、ネット上で批判の声が上がったことについては、「法執行における厳粛さに欠けた面はある」と認め、今後は口頭での注意や正規の「通知書」以外のカード類で注意を促す方式に切り替えるという。
中国のSNSで見られる賛成意見としては、「罰金を科す主要な目的は覚醒させることだ。だとすれば目的は達せられた」「交通に特に影響を与えていなければ、祝日のこういう公務執行は人情味があるよ」「新年おめでとうとすれば、罰金を科すよりも(駐車違反をしてはならないということが)しっかりと記憶に残る」などがある。
逆に批判意見としては「法制社会とは人治によるものではない。罰金は心情とは関係ない」「違反の際の罰金や反則点は、多くの場合、公共の交通に危険をもたらすからだ。このような方法は妥当か?」「仕事に対して無責任(中略)思想教育の欠如」「ここは法治国ではないのか」などがある。
北京市メディアの新京報は16日、西安市における「本日は処罰しません」の通知を肯定的に評価する論説を掲載した。
同論説はまず、法律は厳格に執行されねばならならず、法律においては、「特別な日」などが設けられているわけではないなどと指摘。その上で、交通警察官の公務執行には弾力性や裁量の余地があると主張した。
中国では交通違反の処罰で、違反を指摘された人が処罰を拒絶し、警察官側とトラブルになる事例がしばしば発生している。同論説は、春節時期に「本日は処罰しません」とのメモを残したことは、次に同様の違反を取り締まられた場合には、心理的に「処罰を受け入れやすくなる」と主張。
さらに、駐車違反をした人も、自分が違反したという事実を受け入れやすいことは、その後には駐車違反を慎むことにつながる教育効果も期待でき、警察と民間の対立感を和らげる効果もあるとした。
論説は「温情ある公務執行理念は、心が温まる祝日にあって、われわれにもう少し温かさを加えてくれる。(この方法は)尊重されるべきであり、これからも実施してよい」との考えを示した。(翻訳・編集/如月隼人)
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