<中国人が見た日本>日中関係が真の「不惑」を迎える日はまだ遠い

Record China    2011年12月28日(水) 15時2分

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27日、中国の経済情報サイト「新浪財経」日本支局の蔡成平支局長が「中日関係の『不惑』までの距離はまだ遠い」と題した記事を発表した。写真は25日、訪中した野田首相。

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2011年12月27日、中国の経済情報サイト「新浪財経」日本支局の蔡成平(ツァイ・チョンピン)支局長の「中日関係の『不惑』までの距離はまだ遠い」と題した記事が英フィナンシャル・タイムズ中国語版に掲載された。以下はその内容。

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クリスマスの25日、野田佳彦首相が中国に降り立った。来年の日中国交正常化40周年という節目を控えた大事な時期に民主党の首相として初の訪問を果たしたことに、温家宝(おん・かほう)首相は「格別な意義がある」と歓迎した。

孔子いわく「三十にして立つ、四十にして惑わず」。中日関係は今まさに「不惑」の年に差し掛かろうとしているが、実はまだ「而立」さえできていないのではないか。両国関係が「而立」の年を迎えた2002年。中国の一方的な反日姿勢を批判した「対日新思考」を掲げた馬立誠(マー・リーチョン)氏や時殷弘(シー・インホン)氏らは「売国奴」と罵られた。それから10年。中国の指導者層も日本の政権も交代し、GDPも逆転したが、官も民も本質的には何も変わっていないように思う。

内閣府は1975年から毎年、「中国への親近感」に関する民意調査を行っている。1980年に「親近感がある」と答えた日本人は78.6%に上り、米国より高い割合を誇っていた。だが、天安門事件のあった1989年以降は急減。2000年の48.8%を経て、今年は26.3%にまで下がっている。多くの人が両国関係を「夫婦」に例えるが、実は愛し合うどころか最低限の信頼関係も築けていないことがよく分かる。

国民感情の悪化が止まらない原因について、日本の専門家は「中国の愛国主義教育」に加え、毒ギョーザ、中国漁船、レアアース高速鉄道、2歳女児ひき逃げなどの突発事件、中国人観光客の派手な消費、在日中国人による凶悪犯罪などを挙げている。一方、中国は主に尖閣問題、歴史教科書の「改ざん」、靖国参拝だとする主張を曲げない。だが、双方が責任のすべてを相手に押し付けていることが最大の原因だと筆者は考える。

2011年は昨年の尖閣諸島沖での漁船衝突事件のような難しい外交問題は発生しなかった。だが、日本は中国漁船の船長を何度も逮捕、武器輸出三原則を緩和したほか、横浜市が「問題のある歴史教科書」を採択するなどしたため、相変わらずゴタゴタは絶えなかった。これに東日本大震災、原発事故、金正日総書記死去など新たな危機も加わった。

フランスの政治学者マティ・ドガンはかつて、一体化に向かう欧州の心理状態について「多くの西欧人のナショナリズムは抑制可能。自国の軍隊は信じていないが、隣国は信じている。一体化に対してもどんどん積極的になっている」と描写した。中日両国も官僚から庶民までこのような考え方を持つことができた時、ようやく真の意味での「国交正常化」の日が迎えられるのではないだろうか。(翻訳・編集/NN)

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