2018年3月7日、観察者網は米紙の報道を引用して、「米航空会社の不手際により、中国人夫婦が交通事故に巻き込まれ重傷を負った」と伝えた。

記事は米紙ワシントン・ポストの6日付報道を引用。2日にミネアポリスからニューヨーク・ラガーディア空港へと向かっていたアメリカン航空4664便は、天候不良によりニューヨーク手前のボルチモアに着陸し、乗客はそこから「トイレも食糧もないバス」でニューヨークまで移動することになったという。

グーグルマップでは車で4時間半と表示された道のりだったが、バスは10時間経過しても50キロメートル弱しか進まなかった。その上、先の道が交通事故により封鎖されてしまい、バスは結局ボルチモアまで引き返すことに。ドライバーは食料調達やトイレのために乗客を降ろしたが、この時、バスから降りた中国人夫婦がトラックにはねられた。夫婦は現地の病院に搬送されたのだが、バスのドライバーは航空会社に連絡することなく運転を再開したという。

同じバスに乗っていた中国人女性はフィラデルフィアに着くと、同航空会社のスタッフに「中国人夫婦が車にはねられた」と説明。するとスタッフは「病院には通訳がいるから」と説明して女性をタクシーで病院に向かわせた。女性が病院を訪れると、通訳などいなかったという。夫は脊椎などを著しく損傷し、妻も頭を強く打って意識不明の状態。手術を含めた治療が必要な状態だったが、同社はそれでも誰もスタッフをよこさなかったという。

同社の広報担当者は「さまざまな要因を考慮して、バスでニューヨークまで輸送することを決定した。われわれはもちろん乗客に注視していたが、残念ながらこの行程を全うするのは想像以上に困難だった。バス会社は乗客をちゃんと追跡しておくべきだった」とコメントしている。

記事によると、同社はその後、負傷した中国人夫婦のもとにケアスタッフを派遣するとともに、「全力のケアとサポート」を行うことを表明したという。（翻訳・編集/川尻）