過去50年で243カ所の湖が消失、長江流域では魚類の絶滅が急増―中国

Record China    2012年1月16日(月) 16時33分

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15日、中国でこのほど発表された報告書「長江保護・発展報告2011」によると、中国では過去50年間に面積1平方キロメートル以上の湖243カ所が消失したことが明らかになった。

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2012年1月15日、中国でこのほど発表された報告書「長江保護・発展報告2011」によると、中国では過去50年間に面積1平方キロメートル以上の湖243カ所が消失したことが明らかになった。科技日報が伝えた。

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中国科学技術部と中国科学院南京地理・湖泊研究所を中心に第2回湖泊調査が実施された。05年と06年を基準年として、中国全土の湖の数量や面積、分布状況、面積10平方キロメートル以上の主要淡水湖の水量や水質、生物資源体系などについて調べた。

全体的な変化の状況について、同研究所の楊桂山(ヤン・グイシャン)所長は「北部と西北部の干害地区の湖は、水位の低下などによる収縮現象が深刻になっている」と指摘。青藏高原の湖では水量と湖面の変化が激しく、雲貴高原の湖では生物多様性が悪影響を受けるとともに水質が明らかに悪化し、東部平原の湖では貯水能力が下がると同時に水質の富栄養化問題が突出していると説明した。

湖の状況変化は各地区の生物多様性にも大きな影響を及ぼしている。最も代表的なケースは、長江流域の多くの湖で土着の魚類が絶滅の危機に瀕していることだという。中国の三大淡水湖の1つである太湖では、1960年代に106種存在した魚類が、現在は60〜70種類程度にまで減少し、回遊性の魚類はほぼ絶滅している。同様に、水生植物の生態系も各地区で深刻な影響を受けている。

こうした状況を受け、現在各地で汚染制御や湖底に溜まった泥の除去、水流の調整・導入など、湖の環境の修復措置が実施されている。楊所長は「湖の整備は応急処置と根本処理を相互に結びつけて実施しなければならない。河川流域の汚染源を点と面で徐々にコントロールした後、湖と河川流域を一体化した総合管理を実施する必要がある」と指摘している。(翻訳・編集/HA)

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