2012年1月6日、新華ネットの報道によると、今年の春節（旧正月、今年は1月23日）まで4日となり、海外旅行を取り扱う北京の大手旅行社では春節期間中の海外旅行の申し込みがすでに締め切られたり、終了間近になったりしている。例年と比べると、今年はエンターテイメントやショッピングはもう海外旅行の主要な目的ではなく、家族そろって海外で春節を過ごすことが流行の一つになっている。

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中国青年旅行社によると、今年は家族単位で申し込むデラックスツアーが少なくなく、一家3人の自由行動タイプの海外旅行の申し込みが最も多い。自由行動の費用を1人2〜3万元（約24〜36万円）として計算し、現地での飲食やレジャーの支出を加えると、一家3人でオーストラリアやモルディブで過ごすと、ショッピング分を加えなくても、7〜10万元（約85〜120万円）かかるという。

しかし、高額のツアー費用も一家で春節を海外で過ごす思いに影響を与えていない。中国最大の旅行予約ポータルサイト携程 (シェチェン)のデータによると、今年の春節は海外旅行商品が良く売れ、昨年同期を約20％上回っている。　

多くの旅行社に聞くと、家族そろって年を越すという中国の伝統の影響を受け、海外旅行に出発するのは春節の2日目に集中し、一家で出かけるのが最も一般的になっているという。春節前に出発する旅行者も一部みられる。

市場の旺盛な需要に対し、各旅行社は正月気分満載の家族向け海外旅行商品を売り出している。国際旅行社総社は親が楽しめることをテーマとした旅行プランを企画し、衆信旅游社は春節をテーマにして一家で新年を海外で迎えるシリーズ商品を販売。携程や中国青年旅行社なども家族向けの海外年越しなどの観光コースを売り出した。　中国観光研究院の報告によると、現在、中国は海外旅行者がアジアで最も多く、2010年は延べ5738万6500人に上り、前年を20．4％上回った。

同研究院の戴斌（ダイ・ビン）院長は次のように説明した。中国の海外旅行者は年々増え、海外の有名観光地で「新大陸」に出会っている。中国は世界の観光市場の中で重要な観光客供給国となっており、海外の観光機関から注目されている。多くの国と地域が中国から観光客を呼び込もうと数々の便宜を図っている。

昨年、日本の観光庁は個人旅行ビザの制限を緩和する政策を3回連続で実施した。韓国は中国からの観光客のビザ基準を緩和する措置をとった。欧州旅行委員会は先月、中国語の観光サイトを立ち上げ、欧州35カ国の歴史、文化、グルメを紹介している。

ノルウェー・フッティルーテン（沿岸急行船）社の劉結（リウ・ジェ）中国地域代表は次のように語った。同社は2006年から中国市場に進出し、主に南極、北極、ノルウェー西海岸のディープな客船旅行コースを売り出した。最低料金8万元（約97万円）の南極観光は1年目の申し込みは100人足らずだった。しかし、中国人の消費能力の向上と旅行に対する考え方の変化で、ますます多くの観光客が客船旅行を認め始め、多くの旅行社が進んで協力するようになった。

「今年の春節は12日間の氷海の旅を売り出した。家族単位の申し込みで中高年が3分の1以上を占め、予想外だった。中国人が旅行に対しては気前がよく、豪華探検旅行市場で中国の潜在力が無限なことが示された」、劉代表はこう語った。（編集/内山）