<中国気になる話>「香港人は犬畜生」北京大教授の暴言とその真意―中国

Record China    2012年1月25日(水) 8時38分

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23日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国本土及び香港のメディアとネットユーザーの注目を集める香港地下鉄の「罵倒合戦」について取り上げている。写真は香港の夜景。

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2012年1月23日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国本土及び香港のメディアとネットユーザーの注目を集める香港地下鉄の「罵倒合戦」について取り上げている。

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最近、香港の反中感情の高まりが注目を集めている。香港大学によるアイデンティティーを問う調査では、「香港人」「中国の香港人」との回答が計62.9%に達した。一方、「中国人」「香港の中国人」との回答は37.7%にとどまった。2008年6月をピークに自分を「中国人」と見なす比率は減少に転じている。

また、子どもに香港籍を与えようと「越境出産」する中国本土妊婦が急増し香港産婦人科病院がパンク状態となり香港人の出産予約がままならないことが政治・社会問題になったこと。香港・広東道のブランドショップ・ドルチェ&ガッバーナが中国本土富裕層のプライバシーに配慮して「街路から店頭を撮影する行為を禁止」したことに香港ネット民が怒り、数千人が集まり撮影会を開くフラッシュモブもあった。

香港と中国本土の「きしみ」を示す一連の事件、その最新作として「罵倒合戦」が起きた。発端となったのは香港地下鉄で撮影された動画だ。車内で子どもにお菓子を食べさせていた中国本土の女性に対して、付近にいた香港人が注意したというもの。香港では地下鉄内での飲食は禁止。違反者は罰金を払わなければならない。

注意された女性も激しく反論。最終的に香港人が駅職員まで呼び出す騒ぎとなった。駅職員の説明で女性も一応は納得したが、香港人はその後も女性を揶揄するような広東語で連発。罵倒合戦が続いた。

この動画がネットで公開され、ちょっとした騒ぎにとなった。「ルールを守らなかった中国本土人が悪い」「中国本土の民度は低い」という意見もあれば、烈火の如くキレまくっている香港人に対する違和感を表明する人もいたようだ。

ただこれだけ話と言ってしまえばそれまでだが、さらに炎上させたのが自称・孔子の73代目の子孫にして、北京大学の名物教授、孔慶東である。同教授の冠番組「孔和尚有話説」(ネット動画ニュースサイト・第一視頻新聞網)で、孔教授は「香港人は犬畜生だ」と発言、話題となった。昨年末には犬猿の仲である雑誌・南方人物週刊の電話に「F●ck」を三連呼して話題となったこともある孔教授だけに品がないと批判を集めた。

ただし、孔教授の発言は過激な言葉だけ抜き出されたという感も否めない。その主張を成立すると、以下のとおりとなろう。(1)広東語がわからない中国本土人に対して、香港人が広東語で揶揄しているのはひどい。(2)かつて英国植民地だった香港人はいまだに魯迅いうところの「西洋かぶれ」で、外国人には大人しく従うのに中国本土人のことを田舎者だとバカにしている。(3)香港人は自分たちは文明的だと思っているが、罰金など法律の制限があるからそれに従っている「犬根性」なだけ。香港人の民度は低い。

なるほどと思わされる論点もないではないが、「犬畜生」「クソッタレ」など過激な言葉が間にちりばめられているので、そこだけを取り出されて批判されても仕方がない部分もある。

「地下鉄内で子どもにお菓子を食べさせた」というたわいもない事件ではあるが、孔教授の「暴言」もあり、香港人と中国本土人との亀裂を示す象徴的な事件として「罵倒合戦」が記憶されることになりそうだ。中国語メディアも含め、なかなか事態の全体像をつかめる記事がないので、ここに整理した。(筆者:chinanews)

■中国在住経験を持つ翻訳者Chinanews氏は、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。

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