Record China 2018年3月29日(木) 9時20分
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中国経営報は27日、日本の対米貿易戦争からバブル経済とその崩壊までの過程を紹介する記事を掲載した。トランプ米大統領が貿易戦争を発動したとして、日本の過去に教訓を得るべきと主張した。資料写真。
中国経営報は27日、日本の対米貿易戦争からバブル経済とその崩壊までの過程を紹介する記事を掲載した。中国では現在、米国のトランプ大統領が貿易戦争を発動したとして、自国の取るべき対応を論じる記事が多く発表されている。
記事はまず、1970−80年代に日本の製造業は国際市場を席巻し、巨大な貿易黒字を生み出したと紹介。さらに、当時の日本は現在の中国と似た世界最大の債権国になったと論じた。
財政と貿易の双子の赤字に苦しんだ米国はまず、「301条」を打ち出して日本に対して貿易戦争での譲歩と国内市場の開放を強要。さらに「プラザ合意」で為替レートの再構築を進めた。日米など先進国5カ国によるプラザ合意をきっかけに米ドルは急落し、3年後には日本円の対米ドルレートは合意前の86.1%高にまで上昇した。
記事は、「多くの人は現在、(プラザ合意は日本に)敗北を受諾させた陰謀とみなしている。ただし、当時の日本は楽観していた」と紹介した。この場合の「多くの人」は、中国人を指すと考えてよい。
記事は、「日本が楽観していた」根拠として、貿易黒字が発生すれば自国通貨が強くなるのは合理的と考え、円高により購買力が高まったことで日本では内需が旺盛になり、国外から資本を吸収する力も強まったことを挙げた。
実際に、プラザ合意後も日本経済が停滞することはなく、かえって成長が早まった。輸出はやや落ちたが、石油価格の低迷により輸入額も減少し、日本の貿易黒字は増加した。一方で日本は、プラザ合意による自国経済への影響に対応しようと利率を大幅に引き下げていた。
記事は、日本でバブル経済による危機が発生した原因はプラザ合意ではなく経済構造の変化にあったと主張した。日本は80年代を通じて、対外依存を減じ内需を高めるために金融の大緩和政策を取り続けた。円高にともなって国際的なホットマネーなどが、大河の堤防が決壊したように日本に流れ込んだ。
日本国民の購買力は日増しに増大し、日本人は「米国に取って代わって世界一の強国になるのは時間の問題」と思った。増大した資金は例外なく株式市場と不動産市場に流れ込んだ。4年間のうちに日経平均株価は1万3000円から3万9000円と、3倍になった。東京都の土地価格合計だけで、面積比で1万5000倍の米国全土の土地価格と同等になった。
記事は、不動産業の繁栄により土地価格が高騰したことが実体経済への重圧になったと指摘。金融機関が不動産関連への融資を優先したことも、製造業を圧迫したと論じた。
記事は、日本のバブル経済の崩壊は、90年の株価暴落で始まったと指摘。日経平均株価は2年間で最高の3万8915円から1万4309円に下落したと紹介した。続けて発生したのは不動産市場の崩壊とした。金融機関は損失回避のために企業への貸付金の回収を進め、企業はやむをえず株式と不動産の売却を行った。このことが、不動産価格などの下落に拍車をかけたとした。
日本当局はその後に発動した金利の引き下げや不動産業界の引き締めを「劇薬」と表現。しかし、「10年間の長きにわたって放置した不動産バブルの崩壊の激烈さは、政策で救済できる限界を超えていた」と論じた。
記事は、「日本のバブル経済とその崩壊の原因は、貿易戦争とプラザ合意が発端であったように見えるが原因は実のところ、早い時期から経済構造の中に潜んでいた」と主張。さらに具体的には、長期にわたる金融緩和策により、資金が製造業に入っていかず短期的にリターンを望める不動産に流入したこととの考えを示した。
記事は、「貿易戦勝は恐ろしくない。恐れるべきは、自らを守れなくなること」と指摘。結論として「貿易戦争に対応するための鍵は、自らの持つ産業の有利な面を守り、実体経済を大きくすること。経済がハイリスクの道に踏み込まないようにすること」と主張した。
中国では、自国経済の方向性について、日本が第2次世界大戦後に成し遂げた経済成長や直面することになった諸問題への対応に学ばねばならないとする記事が、しばしば発表される。上記記事もその一つだ。中国は米トランプ大統領の対外経済政策を強く批判しているが、上記記事は中国側の対応が問題解決の本質になると示唆している点に特徴がある。(翻訳・編集/如月隼人)
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