人民元の上昇が「メイド・イン・チャイナ」を米国に移住させた―米華字紙

Record China    2012年2月23日(木) 11時45分

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20日、米華字サイトは、中国メーカーが生産拠点を米国にシフトし始めていると報じた。写真は中国の家電大手、ハイアールのニューヨーク支社。

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2012年2月20日、米華字サイト・多維新聞は、中国メーカーが生産拠点を米国にシフトし始めていると報じた。

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米コンサルタント会社ローディウム・グループによると、過去2年間の中国企業や政府による対米直接投資額は94億ドル(約7490億円)に達し、その前の7年分の総額の2倍以上に上った。人民元を過小評価しているという国際社会からの批判を消し去る狙い。中国はちょうど2010年6月に人民元切り上げを発表している。

人民元の対米レートはすでに8%上昇している。同社のダニエル・ローゼン氏は「これだけ上昇すれば、米国向けに製品を輸出する中国メーカーが生産拠点を米国に移すことも可能。これで、さらに消費市場に近づくことができる」と指摘する。

中国による対米直接投資は全体のわずか0.3%。1位の欧州(69%)、2位の日本(12.7%)には遠く及ばない。だが、中国政府が「人民元の弾力性を高める」と発表したことにより、中国メーカーの対米投資拡大の動きは今後も続くとみられている。

ローゼン氏は「ちょうど80年代〜90年代半ばに日本企業が円高を利用して米国の工場やニューヨークのシンボル、ロックフェラーセンターなどを買い占めた動きに似ている」との見方を示す。

中国の家電大手、ハイアール(海尓)が他に先駆けて1999年、サウスカロライナ州に最初の米国工場を設立。これに続き、多くの中国企業が同州で工場を設立または買収した。同州港務局によると、同年からこれまでの中国企業による投資総額は3億9300万ドル(約316億円)になる。

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のハロルド・L・サーキン氏は「同じ理由で多くの米国メーカーが本国に生産拠点を置くようになった」と話す。米国メーカーが中国に工場を建てるのはもはや輸出製品を作るためではなく、消費者に近づくことができるというメリットのためだというもの。

同氏は「中国経済の成長が米国企業に生産拠点を本国に置かせることになった。なんて皮肉なことだ」と語っている。(翻訳・編集/NN)

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