Record China 2012年2月27日(月) 5時55分
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24日、田中均・元外務審議官は日本記者クラブで会見し、「最も重要なのは、飛躍的に発展し世界第二の経済大国となった中国とどう向き合うかだ」と強調。相互の信頼関係醸成に向けた対中協議を進めるべきだ、と語った。
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2012年2月24日、田中均・日本総研国際戦略研究所理事長(元外務審議官)は日本記者クラブで会見し、「中国は敵国ではなく、世界各国との結びつきは強い。最も重要なのは、飛躍的に発展し世界第二の経済大国となった中国とどう向き合うかだ」と強調した上で、相互の信頼関係醸成のため、米中戦略対話をお手本にもっと建設的な対中協議を推進しなければならない、と語った。会見要旨次の通り。
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米中連携は強固であり、米ソが対立した冷戦時代とは全く違い、経済を中心に切っても切れない相互依存関係がある。米中戦略対話も定期的に行っている。日本も10年後には日本の数倍ものGDP規模となる中国が脅威にならないよう積極的に働きかけるべきだ。相互の信頼関係醸成のため、もっと建設的な話し合いを進めなければならない。
TTP(環太平洋経済連携協定)が中国を阻害する仕組みであってはならず、米国も同様の考えだ。国家資本主義の中国が大きな発展を遂げ、自由経済システムの欧米日は低迷しているが、この二つが対峙するのは好ましくない。自由経済システムはリーマンショックなどもあり、すべていいとは思われない。中国の体制にも問題があり、この二つを近づける必要がある。それが21分野でルール作りをするTTPであり、日本はまずこれに参加すべきだ。国営企業問題や知的所有権問題などから中国はすぐには参加しないだろうが、10年、20年後には入ってくる。
その間、貿易自由化を中心とした日中韓FTA(自由貿易協定)やASEANプラス6(東南アジア諸国連合10カ国プラス日本、中国、韓国、豪州、ニュージーランド、インドの16カ国による経済連携)を進めていくことが重要だ。米国が台頭する中国を抑えるために太平洋地域に米国主導のグループ形成を狙っているとの見方があるが、全くの見当違いだ。中国は敵国ではなく、世界各国との結びつきは強い。米国もTTP(環太平洋経済連携協定)などで排除しようとは全く思っていない。TTP、日中韓FTA、ASEANプラス6を将来結合させFTAAP(太平洋自由貿易協定)構想につなげるべきだ。
対中国貿易は対米国貿易を上回っている。少子高齢化によって人口が減り続ける日本にとって、東アジアの成長を取り込むことは重要であり、日本は東アジアで経済統合を進めることに力を注ぐ必要がある。既得権益を保持したい日本の農業関係者はTPPをはじめとする対外経済連携に反対するが、農業抜本改革により農業生産性を高めるなどもっと国益を考えるべきである。
中国の軍備拡張が懸念される中、人民解放軍を交えた日米中防衛当局による信頼醸成が不可欠であり、そのための会議創設が必要だ。日中間で、緊急災害支援などで共同訓練を行うことも検討すべきだ。(取材・編集/HY)
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