米国の保護貿易的措置はWTOの原則に背く、学者らが批判―中国メディア

人民網日本語版    2018年4月17日(火) 5時50分

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米政府はこのほど「301条調査」の結果に基づき追加関税を課す中国製品の提案リストを公表するとともに、さらなる追加関税措置を打ち出すと発表した。資料写真。

米政府はこのほど「301条調査」の結果に基づき追加関税を課す中国製品の提案リストを公表するとともに、さらなる追加関税措置を打ち出すと発表した。さまざまな学者は、米国のこの措置は世界貿易機関(WTO)の原則と精神に背き、全世界の多国間貿易体制を深刻に損なうと指摘した。新華社が伝えた。

ブラジル中国問題研究所のRonnie Lins所長は「米国が他国に対して一方的に貿易紛争を挑発するのはWTOの多国間精神に背く。多国間精神はWTO加盟国の重要な行動規範だ。WTOの規定では、両加盟国間に生じた貿易上の争いは、WTOの紛争解決制度に委ねる必要がある。米国が中国に対して一方的に追加関税を課すのはWTOの規定に違反し、米国がWTOの義務を履行しないことの表れだ」と指摘。

「米政府のこうした一国主義的、保護貿易主義的手法は、世界の多角的貿易体制を深刻に損ない、世界の貿易秩序を脅かし、世界経済の発展に極めて大きな不確定性をもたらす」とした。

米テキサス大学エネルギー研究所客員研究員で、中国地質大学で応用経済学の博士号を取得した聞少博(ウェン・シャオボー)氏は「WTOの規定ではWTO加盟国間に貿易紛争が生じた時、加盟国は自らの判断で行動してはならず、WTOの紛争解決制度に委ねるべきだ。紛争解決制度による結論が出るまで、加盟国は一方的に制裁を科してはならない。したがって、米国が実施を脅す一方的な追加課税措置はWTOのこうした規定に違反する」と指摘。

「米側の手法はWTOの最恵国待遇原則にも違反する。すなわち加盟国がある加盟国に対して課す関税は他の加盟国に課す関税を上回ってはならないというものだ。米国が実施を脅す一方的な課税措置は差別的な一方的措置で、多国間貿易体制の発展の歴史における深刻な規則違反であり、WTOの基本原則を踏みにじるものであり、関係国の報復措置を招くのも必至だ」とした。

オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学法学院「中国国際商法・国際経済法センター」共同センター長で、WTO方、サービス貿易法などを専門に研究する王衡准(ワン・ホンジュン)教授は、米国の一国主義的行動はWTOの原則に違反すると指摘。「WTOの紛争解決制度はかなりの程度均衡の役割を果たし、規則を導きとする紛争解決制度を提供しており、紛争各者は共に起訴・応訴し、法的問題について論争することができ、最終的にWTO上訴機関が裁決をし、国際貿易秩序を維持し、規則乱用の可能性を減らす。だが米国の一国主義的手法は、WTOの紛争解決制度に対する明らかな挑戦だ」と指摘した。

ドイツ・IFO経済研究所マクロ経済・調査センターの副センター長は「米政府の一国主義的行為はWTOの枠組での多国間体制を深刻に損ない、長期的には米国や他の国々の経済に悪影響をもたらす」と指摘した。

オーストラリアのエマーソン元貿易大臣は「追加関税など米国の行為はWTOの精神に違反する。こうした行為は米国がWTO、規則を基礎とする世界貿易体制に対して非友好的であることを物語っている」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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