人民網日本語版 2018年4月24日(火) 14時50分
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現代社会は物質的に極めて豊かになり、人々の物欲はかえって低下し、日本を訪れる外国人観光客も「爆買い」から体験の重視へと転換し、日本製造業もこうした流れの中、単なる「ものづくり」から「ものと事とをともに重視する」姿勢へと変わりつつある。
製造業は日本の得意分野であり、日本語の中で「ものづくり」といえば単に「製品を製造する」という意味にとどまらず、日本製造業の伝統や匠の精神といった豊かな内容がそこには含まれている。現代社会は物質的に極めて豊かになり、人々の物欲はかえって低下し、日本を訪れる外国人観光客も「爆買い」から体験の重視へと転換し、日本製造業もこうした流れの中、単なる「ものづくり」から「ものと事とをともに重視する」姿勢へと変わりつつある。新華網が伝えた。
消費の初期段階には商品やサービスが持つ機能的価値が消費される。日本では第二次世界大戦後、冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビの「三種の神器」を手に入れるために誰も彼もが努力した時期があった。経済高度成長期には、「3C」と呼ばれたカラーテレビ、エアコン、自動車を手に入れることが新たな目標になった。
そして今、こうした商品はほぼすべての家庭に行き渡り、消費者は機能的価値を提供するだけの商品を買わなくなっている。日本の大手広告代理店ジェイアール東日本企画が行った調査によると、回答者の52.1%が「家の中はものであふれかえっている、これ以上ものを増やしたくない」と答えたという。物質的欲望の低下は日本国内の市場における消費の方向性を経験や体験の重視に転換させている。市場調査会社Gfkの調査では、日本のあらゆる年代で、「ものを所有するより、体験する方がより重要」との見方を示した人が反対の見方をする人を大きく上回り、50歳以下の回答者では「お金があるより時間があるほうがよい」とした人が反対意見の人より多かった。
こうした背景の中、経験や体験を提供する消費がますます人気を集めている。たとえば達人の指導を受けながら結婚指輪を自作する、店で食材を買う時に店主宰の料理教室に参加する、ホテルで自分が釣った魚をシェフに料理してもらうなどだ。
日本国内の消費だけでなく、訪日外国人観光客のインバウンド消費にもこうした傾向がみられる。日本の観光庁が発表した訪日外国人の消費動向調査の結果によると、16年第4四半期の訪日外国人観光客のうち、初めて日本に来た人が38.4%で、リピーターが61.6%に上り、10回目以上という人も14.3%いたという。
大勢のリピーター客のお目当ては今や「爆買い」ではなく、彼らは商品とはひと味違う価値を求めている。温泉につかる、着物にトライする、茶道を体験する、美術館や博物館を見学する、日本の伝統芸能を鑑賞するなどだ。
国内消費者とインバウンド消費者が求める価値が一丸となって転換していることにより、日本企業もこれまでのようなひたすらものづくりに没頭するやり方を変化させている。
ヤマハ発動機は日本最大のマリン製品メーカーで、日本モーターボート市場で約60%のシェアを有する。今月17日と18日の両日、同社は東京に駐在する各メディアの記者を招待し、同社のモーターボートで東京湾を遊覧し、同社の提唱する海に親しむライフスタイルを体験するイベントを行った。
同社マリン事業本部東日本ソフト課の南成記さんは、「弊社は2006年にマリンクラブ・シースタイルを発足し、会員数は12年連続で増加中で、17年は2万2000人に達した。シースタイルの会員になると、ヤマハが日本全国に張り巡らすネットワークスポット140カ所と海外スポット2カ所でモーターボートをレンタルすることができ、海の上で風を感じながら白波を蹴立てて進む楽しさを味わうことができる」と説明した。
同社の広報担当の堀江直人さんによると、「弊社はもともとモーターボートを製造しているだけだったが、人々の消費スタイルの変化にともない、『出来事』の消費を重視する人がますます増え、単なる物質的な消費だけではすまなくなってきた。そこでシースタイルクラブを通じてシェアリングモーターボート事業をスタートし、新しいライフスタイルを提唱し、体験を重視する人々の消費トレンドに合わせようと考えた。ヤマハ発動機の業務の重心は目下、『ものづくり』から『ものと事とをともに重視する』ものへと移りつつある」という。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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