国際化が進む北京市では、外国人客のために英語のメニューを用意しているレストランが多い。だが中華レストランの英語メニューは中国語の料理名をそのまま英語に直訳したものがほとんどで、外国人にとっては意味不明。たとえば、麻婆豆腐は「Tofu made by woman with freckles(そばかすのある女性が作った豆腐)」、紅焼獅子頭(肉団子の醤油煮込み)は「Red burned lion head(赤く焼けたライオンの頭)」と訳されており、料理の中身とは全く異なったものに。
今回出版された「美食訳苑」には、家庭料理や名物料理を含む中華料理2158種の正しい英語名称が書かれている。有名な中華料理は中国独特の文化や歴史、事件、人名などから命名されているため、その英訳には編集委員会や専門家の間で激しい論争が生じることも。その結果、前述の麻婆豆腐は「Mapo tofu」、紅焼獅子頭は「Braised pork ball in brown sauce」となり、世界的にも有名な包子(バオズ、具のない中華まん)や餃子はその音訳でそれぞれ「Baozi」「Jiaozi」となった。
最も激論が交わされたのが、「童小鶏」(=童貞の鶏、若鶏のこと)。これまでは「Chicken without sex」(1度もセックスしたことがない鶏)だったが、さすがにこれはストレートすぎるということで「Spring chicken」(春の鶏)に落ち着いた。市外事弁公室の責任者は「強制ではないが、北京市内のレストランはこの英訳本のメニューを参考にしてもらいたい」と話している。(翻訳・編集/本郷)
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