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韓国の製造業「冬の時代」に突入、主要紙「危機直視すべき」と政府に積極的対応求める

Record China    2018年5月5日(土) 23時50分

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韓国の製造業が「冬の時代」に突入したと主要紙が危機感を募らせている。今年3月の製造業稼働率が世界的な金融危機以降、9年ぶりの低水準となったためで、「危機を直視すべき」と強調。政府に積極的な対策を求めている。

2018年5月5日、韓国の製造業が「冬の時代」に突入したと主要紙が危機感を募らせている。今年3月の製造業稼働率が70.3%にとどまり、世界的な金融危機以降、9年ぶりの低水準となったためで、「危機を直視すべき」と強調。政府に積極的な対策を講じるよう強く求めている。

朝鮮日報によると、韓国統計庁が4月30日に発表した「3月の産業活動動向」で、製造業稼働率は前月を1.8ポイント下回る70.3%となり、世界的な金融危機で製造業景気が極度に冷え込んだ2009年3月(69.9%)以降で最低の水準にまで低下した。倉庫に積み上がった在庫は急増し、製造業の在庫率は114.2%を記録。通貨危機当時の1998年9月(122.9%)以降、20年ぶりの高水準となった。

同紙は「世界経済は好況なのに不振の韓国製造業」との社説で「現在、韓国経済の最大の問題は政府の無策ではなく、むしろ余計なことをしている点だ」と非難。「経済活動は政府ではなく、企業が行うものだ。雇用も企業が創出する。ところが、政府は企業活動を奨励するのではなく、減退させる措置ばかり繰り出す」としている。

さらに「政府が成長率を主導する時代は終わったというが、企業と企業経営者が活躍できる条件を整えるべきだ。トランプ、安倍、メルケル、マクロンなど世界の指導者が行っていることがまさにそれだ」と言及。「中国の『中国製造2025』、ドイツの『インダストリー4.0』などがその産物だ。世界がその方向に向かっている中、韓国政府は正反対の『所得主導成長論』という時代遅れの左派理論を実験している。集票力がある勢力にばらまきを行うポピュリズム政治には変化が見えない」と疑問視している。

中央日報も「製造業の危機を直視すべき」との社説を掲載。「問題は製造業の沈滞が傾向的である点だ。製造業の稼働率が6年間低下している上、米国の利上げと通商戦争、供給過剰など悪材料が続いている。半導体を除いて自動車・造船・鉄鋼・石油化学などほとんどすべての製造業分野が構造的危機を迎えている局面だ。半導体までも中国の猛追のため楽観できないという指摘が出ている」と述べた。

その上で「製造業の競争力を回復させるためには結局、基礎から見直す必要がある」と指摘。「構造改革で製造業の体質を改善し、規制廃止を通じて企業の革新力量を高めなければいけない」と提言している。

しかし、「現実は正反対だ」として、「非正規職の正規職化、最低賃金の大幅引き上げ、勤労時間の短縮など企業に負担を与える労働・分配政策はあふれ、まともな産業政策は見えない」と論難。「サービス・金融など非製造分野の比率が高まっているとはいえ、製造業は依然としてわれわれの産業の根幹だ。製造業の回復により一層、積極的な政策力量を注ぐ時だ」と主張している。(編集/日向)

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