「日本と手をとって、韓国に対抗する」台湾のEMS企業、鴻海精密工業がシャープの筆頭株主に―中国メディア

Record China    2012年3月29日(木) 20時26分

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29日、「フォックスコン」のブランド名で知られる世界最大のEMS企業・鴻海精密工業が、シャープの筆頭株主となることがわかった。写真は鴻海精密工業のテリー・ゴウ会長。

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2012年3月29日、「フォックスコン(富士康)」のブランド名で知られる世界最大のEMS(電子機器受託製造サービス)企業・鴻海精密工業が、シャープの筆頭株主となることがわかった。シャープは27日、同社との資本業務提携を発表した。第一財経日報の報道。

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台湾に拠点を置く鴻海グループは、第三者割当増資によって出資比率が9.9%となる。シャープは2012年3月期の連結純損益2900億円と、会社設立以来最大の赤字を記録することになるが、これによって1300億円の資金調達を得る。

第一財経日報は、この資本業務提携は極めて異例のものと報道している。従来、日本の業界にとって台湾メーカーは常に格下の存在だった。しかし、単なるコスト安を強みに発展してきた鴻海精密工業は、自社の設計部署によってODM(他社ブランドの受託製造)をこなすまでになった。日本企業にとっては緊密な提携先であると同時に、その利益を食いつぶしかねない存在でもある。かつては、「日本の電子産業にとって最大の敵」とも言われたほどだ。

その敵陣から持ちかけられた投資の手。その裏には、「鴻海精密工業の焦燥感がある」と記事では分析している。創業者で会長のテリー・ゴウ(郭台銘)氏にとって、目下のライバルは日本の各企業ではなく、総合力に秀でた垂直統合型のメーカー、韓国のサムスングループだ。厚い国家資本を背景に、販売数世界首位のテレビ、出荷台数世界3位のタブレットPCなど、世界市場で上位に立つ複数の製品を抱えるサムスン。彼らの持つ強みこそ、鴻海精密工業に欠ける点となっている。

一方の鴻海精密工業は、巨大なEMS企業の宿命として、市場の変化や顧客の事情によって大きく社運を左右される。数年前、大顧客であるモトローラの不振によって、フォックスコンブランドは大きく傾いた。そして、アップルの台頭によって安泰な今日がある。同社を強化するにあたり、新事業で企業構造を再構築するよりも、他社との提携関係を結ぶ方がより迅速にサムスンに対抗できる手段となる。

そこで、なぜ日本企業を選んだのか?それは長年に渡って培ってきた技術、生産体制、ブランド力である。米アップル社に液晶パネルを提供する主要メーカーであるシャープとの提携は、鴻海精密工業にとってサムスンに挑戦をかける大きな資本となる。同社は、テレビ用液晶パネルを生産する堺工場を擁するシャープ子会社から、株式の46%を取得する。

「我々は間違いなく、日本企業の見方に立つ友人であり、敵などではない。日本の敵は南(=台湾)ではなく、西(=韓国)にいるだろう」―テリー・ゴウ会長は昨年、日本のメディアに対してこのような発言もしている。韓国企業を敵視する台湾企業は、実は鴻海精密工業のみにとどまらない。“台湾半導体業界のゴッドファーザー”とされるTSMC(台湾積体電路製造)のモーリス・チャン(張忠謀)会長は、「サムスンは恐ろしきライバル。韓国政府のバックアップによって、半導体製造業の競争に不均衡をもたらしている」と話し、PC関連機器メーカー大手・ASUS(華碩電脳)のジョニー・シー(施崇棠)CEOは「サムスンは他社を模倣することに長け、そのうち相手をのっとってしまう」と形容している。(翻訳・編集/愛玉)

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