人民網日本語版 2018年5月17日(木) 20時50分
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このほど、四川航空3U8633便が緊急着陸する事故が発生し、その原因の調査が今も進められている。もし航空機のコックピットのガラスがすべて破損し、外れてしまった場合、その危険性はどれほどのものなのだろうか?
このほど、四川航空3U8633便が緊急着陸する事故が発生し、その原因の調査が今も進められている。もし航空機のコックピットのガラスがすべて破損し、外れてしまった場合、その危険性はどれほどのものなのだろうか?この点について、民間航空の専門家に取材した。斉魯晩報が伝えた。
■コックピットのガラスが外れたのはこれまでに1例のみ
長年の飛行経験を持つあるパイロットは「今回、四川航空の航空機が無事着陸できたのは、乗務員が適切な対応をしたため。航空機のコックピットのガラスがすべて外れるのは民間航空史上においても非常に稀なことで、これまでに1例しかない。そのためこのような状況が生じた場合、乗務員は非常に大きなチャレンジに直面することになる」と語った。
まず、突然コックピットのガラスが破損し、脱落することで、航空機のキャビン全体の気圧が低くなる。ある業界関係者は、「民間旅客機が巡航高度に到達した際、キャビン内の気圧と外気圧との差は8倍に達する。巡航中にパイロットはエンジンを操作して空気を取り込み、空調システムによって気圧を上げ、キャビン内の気圧を人間が呼吸するのに適した範囲にまで高める。業界内ではこれを客室高度と呼んでいる。航空機が高度3万フィートを巡航している際、キャビン内の客室高度は6000〜7000フィートに相当し、人間はこの高度において自発的に呼吸し、体の快適な状態をある程度保つことができるが、コックピットのガラスが破損し、キャビンの気圧が低くなると、短時間でキャビンの気圧が巡航高度の気圧と同じになり、乗客・乗務員は一瞬にして気を失うことになる」と説明した。
また、業界関係者は「航空機のコックピットのガラスが破損すると、パイロットはまず最初に酸素マスクを装着する。酸素マスクがない場合、3万フィートの高度では、どれほど体の丈夫な人でも10数秒ほどしか意識を保つことができす、高齢者や子供は気圧低下により数秒で正常な呼吸ができなくなり、昏睡状態に陥る」と語った。
■機内温度はマイナス40度まで低下 騒音と強風も
酸素マスクをしっかり装着した後、パイロットは航空機を1万フィートの安全高度にまで速やかに下降させなければならない。専門家によると、コックピットのガラスが破損した際、もしパイロットがシートベルトを着用していなかった場合、気圧の変化からたちまち機外へと吸い出されてしまうことになるという。例えシートベルトを着用していた場合でも、気圧の急激な変化から、強烈な外へ吸い出される力が生じ、計器システムの一部が損傷を受けてしまう可能性がある。また、ガラスの下にあるコントロールパネルが損傷すると、航空機の自動操縦システムが機能しなくなり、パイロットは手動操縦を行うしかなくなる。
気圧低下以外にも、巡航高度でガラスが破損した場合、パイロットは低温や強風などの外部環境によるトラブルに直面することになる。今回、四川航空3U8633便はガラスの破損後、コックピット内の温度はたちまちマイナス40度前後にまで低下したはずだ。この時期、パイロットはたいてい半袖の制服を着ていることが多いため、低温による寒さに耐えねばならない上、強風と凄まじい騒音にも対処しなければならなかったとみられる。パイロットはこのときキャビンで竜巻に巻き込まれているような感覚を味わったに違いない。
業界関係者は、「ガラスが破損した瞬間、ボーンという破裂音が上がり、その後すぐにうねるような強風の音に包まれたことだろう。乗務員はこうした騒音の中で地上スタッフと連絡しなければならず、双方のやりとりは非常に難しかったはずだ」としている。(提供/人民網日本語版・編集/YK)
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