危険はあるけどやめられない―中国動物園の「猛獣ビジネス」をめぐるジレンマ

Record China    2007年2月26日(月) 10時22分

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黒竜江省ハルビン市の東北虎林園では、子どもたちがトラに新鮮な肉を餌として与えている。中国では猛獣と触れ合う体験が動物園にとって貴重な収入源になっているのだ。

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2007年2月23日、黒竜江省ハルビン市の東北虎林園では、子どもたちがトラに新鮮な肉を餌として与えていた。ここでは、お金を払うと子どもたちでもトラと触れ合うことができるのだ。

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たとえば、餌やり体験。10元(約150円)で牛肉を、40元(約600円)でニワトリ1羽を買うことができ、自分の手でその買った餌を檻の中のトラに与えることができる。子どもたちは大はしゃぎで、互いに競い合ってトラに餌をやっている。親たちも我が子が野生動物と触れ合っていることを喜び、惜しげもなくお金を払っている。

だが、実はこの1日前に、雲南省昆明市動物園において6歳の女の子がトラにかまれて死亡する事故が発生している。これを受けて、中国各地の動物園は猛獣と観光客との物理的な距離を見直すことにした。だが、東北虎林園のように、猛獣と観光客を接近させ、それをビジネスにしている動物園は決して少なくない。いくら安全上の問題があるといっても、動物園の経営を考えるとすぐにやめることも難しい。ある経営者は、「猛獣を使ったビジネスを廃止したら、動物園はつぶれるしかない」と話している。

一方、北京野生動物園の劉(リウ)博士は、十分に安全性が確保された上で人間と動物との接触を行うべきだと主張している。劉博士は、動物の生態やテリトリーをよく尊重した上で、共存していくのが最善だと述べている。中国の動物園のあり方について、しばらく議論が続きそうだ。(編集・佐々木康弘)

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