ユニクロ、無印良品、イマージュなど日本ファストファッション各社、多彩な中国戦略を展開―中国メディア

Record China    2012年5月9日(水) 8時40分

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7日、日本のファストファッション各社が中国で異なる戦略を展開している。写真は無印良品の北京西単大悦城店。

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2012年5月7日、新京報によると、日本ファストファッションブランド「IMAGE COLLECTION」(イマージュ)がこのほど中国市場に進出した。これまで中国市場に進出していた無印良品ユニクロと異なり、同ブランドは実店舗を大規模拡大することなく、中国EC企業との提携を選択し、オンラインマーケット市場を主戦場とした。同ブランドは日本の女性ブランドで、28年の歴史と600万人以上の会員を有する。2011年11月の調査によると、20−49歳の日本人女性のうち、同ブランドの知名度は77.4%に達した。日本ブランドは近年になり海外進出を推進しており、中国が避けては通れない巨大市場となっている。各日本ブランドが異なる手段により中国進出を果たしていることから、ファストファッションの中国での経営に変化が生じたことが読み取れる。人民網日本語版が伝えた。

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◆eコマース事業による進出

ユニクロ、H&M、ZARA、GAP、無印良品、イマージュなど、海外のファストファッション大手が、独自の中国市場進出を開始している。

ファストファッションは中国人にとって、新商品が短いサイクルで店頭に続々と並べられることを指すだけではない。各ブランドが中国市場でシェア争奪戦を展開し、店舗拡張を急ぐ現象は、まさに「ファスト」という言葉で表すにふさわしい。

しかし、すべてのブランドが中国で好調な業績を達成しているわけではない。TOPSHOP、NEXTは業績不振に喘ぎ、H&MとZARAは競合を激化させている。中国市場に新たに進出した企業にとって、実店舗の高額なコスト、中国の広大な市場、質の高い店舗資源の不足は、伝統的な実店舗の拡張を妨げている。

eコマース事業を通じての中国進出、これは各ブランドが避けては通れない道だ。この先例となったのはユニクロで、2001年の中国初進出が失敗に終わると、2009年に天猫(テンマオ、旧称はタオバオモール)と提携合意を締結し、ユニクロ天猫旗艦店を開設し、オンライン販売ルートを切り拓くと、実店舗を増設した。2012年、イマージュは「オンライン高級百貨プラットフォーム」を選択した。この微妙な変化は、中国eコマース市場の近年の変化を示している。情報によると、イマージュはファッション系eコマース「走秀網」と提携する予定だ。

走秀網の紀文泓(ジー・ウェンホン)CEOは、「イマージュが当社を提携先として選択した理由は、双方がターゲットとする消費者が一致したことである。また当社は高級百貨プラットフォームとして、中国のホワイトカラーに対する現地化されたPR、技術および物流などの面で、イマージュに専門的かつ有力な支援を与えることができる」と説明した。

◆日本各社の販促方法

日本各社はこれまで、通販カタログの郵送による商品販売という経営手段をとってきた。1999年に中国進出したフェリシモ(FELISSIMO)がその代表で、同社は消費者に通販カタログを定期的に郵送し、安定的な顧客源を確保している。同社が中国に構える実店舗は少ない。「フェリシモ国貿生活提案店」は、カジュアルファッション「サニークラウズ」の販売を中心としており、衣料品や生活用品(小物など)を同時に販売している。

2010年に中国進出した日本下着通販会社のピーチジョン(PEACH JOHN)は、商品カタログ「PJ」を配布している。この販促は2003年にピークに達し、ビビアン・スーを同年の表紙モデルに招き、年間発行部数が180万部に達した。

ファストファッションが世界中を席巻する中、eコマースが伝統的なカタログ郵送に代わりつつあり、各ブランドの主戦場と化している。フェリシモとピーチジョンの公式ホームページを閲覧したところ、自社サイトによる販売が各社の主要方式となっていることが明らかになった。イマージュの明賀正一社長は、「中国の高級eコマースの位置づけおよび消費者が、当社の理想とするターゲットに一致しているため、自社サイト運営を選択しなかった」と述べた。走秀網を代表とする垂直型細分化ECサイトは、ファッション分野に特化しており、より明確な発展ルートにより、最も消費力を持つホワイトカラーをターゲット層としている。また同ECサイトは世界と中国を結ぶ橋の役割を果たし、世界のファッションの最先端を中国人消費者にもたらす。

◆差別化、実店舗の競争法則

各ブランドは単純なオンライン販売に満足せず、実店舗を同様に重視している。

米ボストン・コンサルティング・グループの報告書によると、中国人消費者のファッション関連の年間支出が、2020年に1兆3000億元(約17兆円)に達する見通しだ。この市場はブランド各社にとって魅力的であり、競争の激化が予想される。

ファッションブランドの中国系コンサルティング会社の周捷首席コンサルタントは、ファストファッションを「短いサイクル、一定の価格、流行の最先端を追う」と定義した。

無印良品は中国での実店舗数拡張を加速しており、メーデーの連休前に常州や石家庄などで店舗を新設し、中国での店舗数が42店に達している。日本最大のファストファッションブランドのユニクロは、この数年間のみで中国での新設数が約130店に達している。

周氏は、「無印良品とユニクロは、製造から販売までを一貫して行う製造小売業(SPA)により事業を拡大しているが、両社には異なる点も存在する。無印良品は衣料品の他に、食品、家具、家電、文房具などの生活用品を取り扱っており、環境保護型の生活を強調している。一方で、ユニクロは衣料品を強調し、組み合わせを重視している」と指摘した。

このほど新たに中国市場に進出した日本アパレル企業のバロック(BAROQUE)は、そのファッションブランド「moussy」の実店舗を、北京西単大悦城や三里屯Villageなど、オシャレな若者が集う場所に開店した。イマージュは今回の中国進出で、「単品販売ではなく、消費者に商品の組み合わせを提供する」というマーケティングを展開する。

明賀CEOは、「当社の全商品はさまざまな組み合わせの一部であり、組み合わせによる全体的なバランスを重視しているため、一つの商品に一つのカラーしか設定していない。当社の推薦する組み合わせを参考にすれば、新たな楽しみ方ができる」と述べた。組み合わせという視覚的な方法により、消費者に対して着用後のイメージを直接展示することができる。これはイマージュが提唱する「自由な組み合わせ」による差別化マーケティングだ。

周氏は、「細分化の進む中国市場で、差別化競争は各ブランドにとって、避けては通れない道だ。日本風がすでに一般化されていると言われているが、細分化の進んだ時代においては、日本風・韓国風などの呼称によりファッションを分類することはできない。ここからも、中国小売市場の近年の急成長を見て取ることができる」と語った。(編集/TF)

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