＜チャイナ・インプレッション＞　中国伝統の仮面劇「儺劇」の故郷の衛生事情―貴州省銅仁地区徳江県

2007年2月25日、「儺（ヌー）劇の故郷」として知られる、貴州省銅仁地区の徳江（デジャン）県を多くの観光客が訪ねていた。だが中国正月期間、この地区では多くのレストランが休業し、県全体でたった3軒のレストランしか営業していない状況だった。そのためすべての観光客は、この3軒のレストランで食事をすることになってしまった。

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ある日、観光客の1人がレストランの厨房をのぞいたところ、その後すぐに食欲を無くしてしまったという。というのも、あまりにも不衛生な厨房を見て、食べ物を口にすることができなくなってしまったのだ。こういったレストランの現状だが、多くの観光客が来ると忙しさのあまり、食器洗いを子どもたちに任せるという。おまけに、食器を洗う水は使いまわしでとても汚くて、何も知らない観光客は、不衛生な食器で

食事をすることになってしまうのである。

宗教と娯楽が一体化した仮面劇「儺劇」は、「中国芝居の生きた化石」と言われ、「国家級非物質文化遺産」（国指定無形文化財に相当）に認定されている。劇を鑑賞するため、ここ数年は国内外から多くの観光客が徳江（デジャン）県を訪れている。しかし、この地区の衛生状況は非常に悪く、何度も訪れる人はいないだろう、と思えるほどだ。

このような状況は、中国ではまだ数多く存在している。特に貧しい農村部の衛生状況は、ひどいものだと言えるだろう。（編集・饒波貴子）

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