中国航空燃料価格は世界トップクラス、原因は独占?―中国メディア

Record China    2012年5月30日(水) 20時31分

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25日、中国の航空燃料価格が世界トップクラスであることが分かった。写真は深セン宝安国際空港。

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2012年5月25日、新京報によると、国際航空運送協会(IATA)のトニー・タイラー理事長は23日に行われた2012年中国民用航空発展フォーラムで、中国は航空燃料価格が世界で最も高い地域の一つであり、推計によると世界の航空会社が毎年中国の空港での給油に支払う費用は4億ドル(約317億円)を超えていると述べた。このコストが世界水準並みになれば、中国の空港運営会社は他国の空港運営会社よりも競争力をもつようになるという。人民網日本語版が伝えた。

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▽調達・販売の差額は海外を数十ドル上回る

IATAによると、一般的にいって、航空燃料の価格は国際原油市場での価格と、航空燃料の調達価格と販売価格との差額という2つの部分で構成される。中国の航空燃料の工場出荷価格は、直近1カ月間の国際航空燃料価格の平均値を基準として相応の調整を行っており、国際市場での価格情報が中国航空燃料価格に反映されるまで時間がかかる。

航空燃料の調達・販売の差額について、IATAはアジアの多くの空港では差額が1トンあたり65ドルを超えないが、中国は同100ドルを超えると指摘。国際航空燃料価格の平均値が同950ドルだとすると、シンガポールの空港の燃料価格は同960−970ドルとなるが、北京の空港では同1050ドル以上を支払うことになる。東京、ソウル、マニラ、クアラルンプールをはじめ、アジアのすべての主要空港はこの差額が中国よりも小さい。

中信建投証券の航空分野アナリストの李磊(リー・レイ)氏によると、中国の航空燃料価格がこれほど高いのは、国内の航空燃料市場が中国石油天然気集団公司と中国石化集団公司という二大メジャーによって独占されていることが主な原因であり、このため国内価格と国際価格がかけ離れたものになり、大手航空会社がどれほど購入したとしても割引は一切ないのだという。

▽燃料価格は航空会社の利益を減らしている

タイラー理事長によると、中国の空港運営会社と海外の空港運営会社とでは一連の費用徴収をめぐって相違があるが、国際民間航空機関(ICAO)の統一方針を遵守し、不合理な項目は取り消さなければならない。こうすることで中国の空港運営会社がより公平な競争環境に身を置き、競争力を高める上でプラスになるという。

あるデータによると、航空燃料価格の高騰は中国の航空会社の利益を減らしているという。中国民用航空局がまとめたデータによれば、昨年の航空会社の利益は278億元(約3475億円)で前年比17.7%低下した。

三大航空会社の年次報告をみると、昨年に国際航空燃料価格が急上昇したことにより、航空燃料コストが前年比4割近く上昇し、コスト全体に占める割合も4割に達している。

国内のある大手国有航空会社の責任者は、海外の空港で給油すれば国内よりも確実に安くなり、国際路線を運航する航空会社は中国の航空燃料価格が高すぎると感じていると話した。2011年8月から工場出荷価格について市場による価格設定を段階的に実施し、毎月1回の調整を行っているが、それでも価格は依然として高いままだ。

ある関係者によると、中国航空燃料市場は競争が欠けており、小規模なサプライヤーというものが存在しない。大手が供給を一手に引き受け、統一的に価格を設定しており、このように業界が独占されているため価格調整が遅れているのだという。(編集/TF)

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