米国は中国に代わって再び生産国と成り得るか、製造業に回帰の流れ―米紙

Record China    2012年6月4日(月) 6時16分

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5月31日、過去数十年間、中国などのコストの安い国へ流れていた製造業が、この数年で米国に回帰する流れが起きている。写真は遼寧省大連市の工場。

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2012年5月31日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、過去数十年間、中国などのコストの安い国へ流れていた製造業が、この数年で米国に回帰する流れが起きている。6月1日付で環球時報(電子版)が伝えた。

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1980年代、ビル・グッド氏はアラバマ州の健康器具メーカーで働いていたが、アジアのコスト競争により同社のような企業はすべて閉鎖してしまった。その後ジョージア州のグリル用品メーカーに就職するも、04年に同社が生産業務を中国に移転することを決定。グッド氏は当時を振り返り、「とても辛かった」と述懐する。当時はこのような流れが一般的だった。

しかし昨年9月、グッド氏はこの流れに逆らう小さな一歩を踏み出した。サウスカロライナ州グリーンビルにある家電メーカー、ワールプール・コーポレーションの工場長となった彼は、ハンドミキサーの生産を米国に戻したのだ。過去6年間、この生産は中国の工場にアウトソーシングしていた。

ここ数年、米中間のコストの差が縮まってきており、一部の企業にとっては米国製造の吸引力が増している。米ドルは下がり続け、米国の商品競争力も上がっており、さらに原油高により輸送費コストが膨らみ、現地生産の方が有利になってきている。マサチューセッツ工科大学が今年1〜2月に105社に対して行った調査によると、39%の企業が一部の生産業務を米国本土に戻すことを検討中だという。

しかし、中国やその他アジア諸国の方が競争面で優勢なのは明らかだ。専門技術や供給網が完成してしまうと、それを動かすのは難しい。中国でのスマートフォン製造がまさにそれだ。また、オートメーション機器操作などの重要な領域において、米国には相応の技術者が不足している。業界関係者は、製造業が大きく米国に戻ることはないだろうとみている。企業は生産ラインを本国あるいは海外に置く場合、より慎重にメリット・デメリットを考慮するだろう。アジアが必ず選ばれるということはもうないのである。(翻訳・編集/中原)

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