中国の美術館、公立・私立で競争へ―米紙

Record China    2012年6月17日(日) 12時15分

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13日、中国と欧米の文化交流事業を行っているフィリップ・ドッド氏は私立美術館について、「現代芸術の展示を公立美術館に先駆けて行う構図ができてきている」と指摘した。写真は広東美術館に展示された3D作品。

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2012年6月14日、環球時報によると、米インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は13日、「公か私か、中国の文化衝突」と題した記事を掲載した。中国と欧米の文化交流事業を行っているフィリップ・ドッド氏は私立美術館について、「現代芸術の展示を公立美術館に先駆けて行う構図ができてきている」と話す。

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経済成長につれ中国各地で美術館や博物館が建設されているが、政府がサポートする文化施設が増える一方で、慈善家や実験的芸術への資金援助を行う資産家などが新たな美術館を建設し、新時代の中国の芸術家に展示の場を与えている。

多くの公立美術館が1980年代以降の実験的な芸術作品の展示に消極的だが、2000年を境に増えた私立美術館がそれらの展示に積極的で、欧米のコレクターがそうした作品を収集するルートの役目も担っている。しかし政府は今も芸術分野で指導的な立場を維持しており、中国全土で美術館・博物館は3400カ所あるが、私立はうち450カ所程度にとどまっている。

北京の故宮博物院や西安兵馬俑博物館のような代表的な公立博物館と同様に、公立美術館も国家や革命にとらわれる傾向が強かったが、中央美術学院美術館の責任者や芸術家は、世界レベルの美術館をつくり中国各地の現代芸術作品を展示する意志を示している。昨今では公立美術館が宣伝や称揚に利用されることが徐々に減りつつあり、公立と私立の競争という構図が生まれている。

北京市郊外の古い工場を改造した芸術地区「798」は多くの若い芸術家が集い、代表的な観光スポットにまでなっている。もし公立美術館・博物館が798の若者たちに打ち勝とうとするならば創造的破壊の精神を持つ必要があるが、「公」と「私」という2つの間の文化競争はいずれ協力の形に変わることになるだろう。(翻訳・編集/岡田)

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