帰国しない科学者たち、中国が欧米諸国を追い越せない理由とは?―英メディア

Record China    2012年6月24日(日) 9時31分

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10日、ロイターはこのほど、中国は科学分野で大きな発展を遂げたが、政治的な制限や自由な思考に対する欠如、権威を尊重し過ぎる気風が今後のさらなる発展の大きな障害になると報じた。写真は中国科学院。

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2012年6月10日、環球時報によると、ロイターはこのほど、中国は科学分野で大きな発展を遂げたが、政治的な制限や自由な思考に対する欠如、権威を尊重し過ぎる気風が今後のさらなる発展の大きな障害になると報じた。

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中国の科学分野の発展には目覚しいものがある。巨額の投資が功を奏し、発表される科学論文の数は米国に次いで世界2位となっている。また、中国の米国での特許登録数は、1989年に52件に過ぎなかったものが、99年には90件、09年には1655件へと急増した

こうしたデータのみを見れば、中国がやがて欧米諸国を追い抜くと思うかもしれないが、必ずしもそうではない。中国の政治的な制限や文化に対する態度が、科学の発展を阻害しているからである。科学者たちは「中国と国際協力することは困難が多いため、中国人の多くは帰国せずに海外に残っている」と語る。

英国の王立協会が11年に発表したデータによると、1978年から2006年までの間に中国人106万人が海外留学したが、そのうち70%は帰国せず海外に残っている。その後、中国政府の留学者に対する優遇政策などにより、この割合は低下しているものの、まだ半数近くが海外に残っているものと推測される。

80年代にドイツへ留学し、現在はスウェーデンの大学で教える陳徳亮(チェン・ダーリアン)氏は、現在も中国科学界と密接な関係を保っているが、「純粋な科学という観点から考えると、研究費の豊富な中国で働くことは素晴らしいと感じる。しかし、今後20年以内に米国を超えるという見方については楽観的すぎると思う。中国の科学文化は欧米とは異なっており、自由な思考の不足や権威を尊重し過ぎる態度が科学の進歩を阻害している」と指摘した。

また、論文の数は増えたが、質を疑問視する声もある。中国人科学者による論文が「ネイチャー」や「サイエンス」など国際的な一流誌で発表されることは欧米諸国の学者に比べて極めて少ない。09年に中国では28万5000件の論文が発表されたが、発表者1000人当たりの論文件数は0.2件、一流誌に掲載された数は発表者1000人当たり0.05件だった。一方、米国の発表者1000人当たりの論文件数は1.6件、英国は同2件、スウェーデンは同4件で、半数以上が一流誌に掲載されている。(翻訳・編集/HA)

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