日本経済は穏やかに回復、米の保護主義が最大のリスク―中国メディア

人民網日本語版    2018年7月16日(月) 13時20分

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米国の保護貿易主義的措置が、直接、または間接的に、日本を含む世界の産業チェーンに悪影響を及ぼす可能性があるため、下半期の日本経済は多くの不確定要素に直面することになる。写真は新橋。

今年上半期、日本の一部の重要な経済指標が低迷した。しかし、多くの専門家は、日本経済は緩やかに回復しているという景気判断を変えていない。ただ、米国の保護貿易主義的措置が、直接、または間接的に、日本を含む世界の産業チェーンに悪影響を及ぼす可能性があるため、下半期の日本経済は多くの不確定要素に直面することになる。新華社が伝えた。

■思わしくない経済データ

内閣府が6月に発表した今年第1四半期(1-3月)の国内総生産(GDP)の2次速報は、物価変動の影響を除いた実質で前期から0.2%減、年率換算では0.6%減だった。こうしたマイナス成長は2年ぶりとなる。

日本経済が低迷している主な原因は、内需が振るわず、輸出の成長ペースも伸び悩んでいるからだ。また、日本政府がデフレ脱却のために行っている努力もあまり効果が出ていない。総務省の統計によると、今年1-5月、CPI(消費者物価指数、生鮮食品除く)は前期比で低下した。

貿易面では、アジア市場向けのスマートフォン関連商品の輸出が減少しているのを背景に、今年1-5月、日本の輸出額は前年同期比で増加したものの、その増加幅は前年と比べて明らかに縮小した。その他、エネルギー価格が高騰していることを背景に、原油や液化天然ガス、石油製品などの輸入額が急増し、1-5月のうち3カ月が貿易赤字となった。

経済運営があまり思わしくないことは、企業の業況判断が悪化していることにも表れている。日本銀行(中央銀行)が今月2日に発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業・製造業の業況判断DI(良い-悪い)が2期連続で悪化した。

■景気判断「緩やかに回復」を維持

このように上半期の一部の経済指標は低迷したものの、日本の政府関係者や専門家は日本経済が緩やかに回復しているという景気判断を変えていない。

内閣府が6月19日に発表した「月例経済報告」では、日本経済は「緩やかに回復」しているという景気判断を維持し、先行きについては、「雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される」とした。

伊藤忠経済研究所の経済学者・武田淳氏は、「輸出と個人消費の低迷が第1四半期の経済指標を下げた主な原因。しかし、それは短期的な現象で、長く続くことはない。第2四半期(4-6月)、日本経済は穏やかに回復するだろう」との見方を示す。

農林中金総合研究所の研究員・南武志氏も、「第1四半期、日本の経済がマイナス成長となったからといって、日本経済が頭打ちになったというわけではない。日本経済は依然として拡張周期にあり、人手不足の問題が依然として際立っている。第2四半期は経済が成長に転じるとみてほぼ間違いない」との見方を示す。

三井住友三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト・宅森昭吉氏は、「米国の保護主義政策などの影響が出て、一部の大企業の業況判断DIが悪化した。しかし、全体的に見ると、大企業の設備投資計画は良好で、それほど深刻な状況ではない」との見方を示す。

■米国が最大の外的リスク源

下半期の経済運営については、多くの専門家や機関が「日本経済の回復傾向は続く」と予想しているものの、米国政府の保護貿易主義的措置が日本経済にとって最大の外的リスク源となりそうだ。

日本総合研究所が6月に発表した「日本経済展望」は、日本経済は今年下半期、潜在成長率を上回る成長を続け、18年度の経済成長率は1.1%になると予測している。

しかし、日本経済の現在の回復は、世界経済全体の回復にかなり依存しており、米国政府が保護貿易主義的措置をエスカレートさせている今、世界経済と日本経済に悪影響が及ぶ可能性も高い。

日本総合研究所の報告は、「トランプ政権が自動車および関連部品の関税を25%に引き上げる措置(現行2.5%)を実施した場合、直接的な効果として日本の輸出を約8000億円下押しする可能性。自動車産業は裾野が広く、部品、素材、商業、運輸業などの関連産業への波及効果を含めれば、2兆円超の生産下押しとなる可能性もある」としている。

その他、米国がイラン核合意離脱とイランに対する経済制裁再開を発表したことで、原油価格の上昇が続いている。日本は原油を輸入に頼っており、原油価格が引き続き上昇すれば企業の業績や個人消費に悪影響をもたらし、日本経済の回復の足かせとなる可能性がある。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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