Record China 2018年7月25日(水) 15時0分
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北京意鋭新創科技(INSPIRY)は、創業者であり会長である王越氏の産業観や日本観を紹介する文章を発表した。王氏は起業の原点は日本だったと論じ、さらに、近い将来に発生する世界的な2次元コード導入の「爆発」についても「日本は先駆者になる」との予想を示した。
モバイル決済のためのソフトやハードを開発する中国企業の北京意鋭新創科技(INSPIRY)は24日、創業者であり董事長(会長)である王越氏(写真)の技術観や産業観、さらに日本観を紹介する文章を発表した。同社ビジネスの中核になる2次元コードの利用に気づいたのは日本においてであり、起業の原点は日本だったとした。また、近い将来に発生する世界的な2次元コード導入の「爆発」でも、「日本は先駆者になる」との予想を示した。
中国ではスマートフォンを利用した商品購入の際の決済、いわゆるスマホ決済が急速に発達・普及してきた。「中国互聯網絡信息中心(中国インターネット情報センター、CNNIC)」によると2017年12月時点で、スマホ決済の利用者は前年同期比12.3%増の5億2700万人で、スマホ利用者全体の70.%に達した。中国では、老若男女すべてを含めた日本人全員の4倍以上の人がスマホ決済を利用していることになる。
そのスマホ決済を支えるのが、2次元コードだ。王越会長がINSPIRYを立ち上げたのは02年。それ以降、世界に先駆けてスマートフォンでの2次元コードの利用技術を開発してきた。現在では同社開発のスマホ決済システムは中国全国で用いられている。また、現在、日本、フィリピン、シンガポール、インドネシアなどアジア地域を中心に2次元コード決済技術の普及促進のため、日本の複数の組織やAlipay(アリペイ)をはじめとするその他の国際的モバイル決済ブランドと緊密に協力している。
関連分野では世界をリードしている感がある同社だが、創業者であり「2次元コードの父」とまで呼ばれる王越氏は、「日本へのリスペクト」を強く持っているようだ。
01年11月、東京に拠点を置く会社のエンジニアとして働いていた王氏は、現デンソーウェーブが開発した2次元コードの一種であるQRコードが日本の病院で使用されていることに気づいた。2次元コードが世界に広くインパクトを与えると確信した王氏は、自ら2次元コード技術に特化した会社を中国に設立することにした。王氏は「起業の原点は日本」と語る。
INSPIRYは02年の設立後、03年には日本企業向けに2次元コードエンジンといくつかの2次元コード規格を開発、08年には初のモバイル2次元コードエンジンを開発し、スマートフォン上での2次元コードの生成を実現するなど、実績を重ねた。INSPIRYはその後に本格化した2次元コード決済ブームの中で成長した。最初に開発したセルフサービス式スキャン決済端末・スマートボックス(Smart Box)は、中国全国で広く使われるようになった。
ビジネスで大きく飛躍し、それと同時に社会に対する影響力も格段に強まった同社だが、王氏の日本を重視する考えには変化がないようだ。QRコードを発明した日本の2次元コード産業チェーンは高水準にあるとして、「世界の決済シナリオにおける2次元コード導入の増加は急上昇寸前であり、日本はその先駆けとなる」と予測。
また、「日本は2次元コード決済市場に新たに生まれたグローバルチャンスをつかむべきだ」と主張。日本企業はこれまで「グローバル化ビジネスで多くの成果を上げてきた」と指摘し、「2次元コード決済分野でも世界的普及を促進する力がある」との見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人)
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