<中国ビジネス「時流自在」8■中国富裕層の落とし方(2)中産階級と富裕層の台頭―3億人に達し急増中

Record China    2012年7月12日(木) 7時45分

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日本企業が顧客としてターゲットにし、日本政府が個人観光ビザ発行の目安にしている年収6万元以上の「富裕層・中間層」は、すでに中国全人口の約23%(3億人規模)を占め、20年までに40%(5億人)に達すると予測されている。写真は中国人客に人気の東京・銀座。

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日本企業が顧客としてターゲットにし、日本政府が個人観光ビザ発行の目安ともしている年収6万元(約78万円)以上の「富裕層・中間層」とは、具体的にどんな人たちだろうか?

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中国政府最大のシンクタンクである社会科学院は、彼らを「自宅やマイカーを所有し、教育・旅行に使う資金的余裕のある所得層」と定義しており、現状では年収6万元以上の安定収入層と言われている。今年2月の同院研究報告では、彼らはすでに中国全人口の約23%(3億人規模)を占め、20年までに40%(5億人)にまで達すると予測。今後の中国市場の中心をなす消費者層として成長が期待されている。

Record China報道(2012年1月28日)によると、中国セレブ富裕層の台頭も目覚しい。基準が個人資産の米ドル金額となっているため、昨今の中国不動産バブルと人民元の上昇(米ドルの下落)という大きなハンディを勘案して評価する必要もあるが、それにしても顕著な伸びである。

1、米フォーブスの2011年世界長者番付では、中国最大の検索エンジンサイト「百度」の李彦宏(ロビン・リー)氏を筆頭に115人がランクイン。その資産総額は2005年の70倍以上に違している。

2、米メリルリンチと仏キャップジェミ二の「2011年アジア太平洋地峨ウェルス・レポート」によると、中国で100万ドル以上の資産を持つ富裕層は2010年の時点で53万人に達した。

3、独保険会社アリアンツは、日本を除くアジアに中産階級は2億2千万人おり、半分は中国に住んでいる。つまり、世界の中産階級の4分の1は中国語を話している、と伝えている。

4、米ボストン・コンサルテイングは中国では富裕層家庭が1年で26万戸増加していることを伝え、「裕福な中国は世界の脅威にはならない」とコメントしている…。

彼らが日本から買って帰る日本製商品は、その多くが中国内でおみやげとして配られたり、商品として国内販売されている。それが好評を博して、「もっと、さらに欲しい」というニーズの高まりに応えるため始まったのが、日本に来なくても日本製品を購入することを可能にする「インターネット個人通販システム」である。

震災復興の起爆剤のひとつとして経済産業省も支援している「日中越境ネット通販」ビジネス…。しかし、今年5月に入ってヤフーも楽天も、中国市場に食い込めず、日中ネット通販事業から相次いで撤退した。その実態と課題について、次回で解説することにしたい。

(<時流自在>は筧武雄・チャイナ・インフォメーション21代表によるコラム記事)

<筧武雄氏プロフィール>一橋大学経済学部卒北京大学留学、横浜銀行北京事務所初代駐在員、同行アジアデスク長、海外経済協力基金(OECF)派遣出向などを経てチャイナ・インフォメーション21を設立。横浜国立大学経済学部非常勤講師、神奈川県産業貿易振興協会国際ビジネスアドバイザーなど多くの役職を経て、現在も横浜市企業経営支援財団グローバルビジネスエキスパートなど、日本企業を支援する中国ビジネスコンサルタントとして活躍中。

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