中国が環境規制に本腰、汎用素材価格が高騰、翻弄される日本メーカー=中国ネットの受け止めは

Record China    2018年8月2日(木) 14時20分

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1日、中国紙・参考消息(電子版)は、日本経済新聞がこのほど「中国政府が本腰を入れて取り組み始めた環境規制に、日本の素材加工メーカーが翻弄(ほんろう)されている」と報じたことを伝えた。資料写真。

2018年8月1日、中国紙・参考消息(電子版)は、日本経済新聞がこのほど「中国政府が本腰を入れて取り組み始めた環境規制に、日本の素材加工メーカーが翻弄(ほんろう)されている」と報じたことを伝えた。

日本経済新聞によると、日本のメーカーはもうからない汎用素材の生産から撤退する中で中国への依存度を高めてきた。だが中国政府が排水・排ガスの抑制や供給過剰対策で工場の稼働を規制したことを受け、汎用素材を中心に価格が高騰し、急速に供給が細る中で、国内メーカーの混乱が目立っているという。

マンションなどの構造を支える基礎素材の棒鋼は、主原料である鉄スクラップを溶かすのに欠かせない黒鉛電極の価格の高騰が止まらない。2017年比で購入価格は3倍となっており、ある棒鋼メーカーの原料調達担当者は途方に暮れ、別の棒鋼メーカーも黒鉛電極の高騰を理由にした製品値上げを需要家が受け入れず、値上げが難航しているという。

下着の材料となるナイロン生地の原料となるカプロラクタムの価格も前年比で3割近く高く、下着大手のメーカーは生地メーカーの値上げ要請が強まる可能性もあると警戒しているという。

こうした素材の価格高騰の背景にあるのが、環境や供給過剰感解消に取り組む中国政府の姿勢で、中国は昨年、違法鋼材の「地条鋼」を禁止した。地条鋼は簡易な設備で作るため環境に優しくない。環境対策を施した正規の電炉生産が増えた結果、黒鉛電極の需要が急増。世界的に品薄感が高まり、価格が高騰した。カプロラクタムも排水・排ガス規制で中国国内の工場稼働率が7割程度に抑えられているという。

差異化が難しい「汎用素材」とも呼ばれる黒鉛電極やカプロラクタムは、かつて中国が供給を増やして市況が悪化したため、多くの国内メーカーは撤退を余儀なくされ、国内削減分を中国増産分に依存する構図ができあがった。だが15年ころから中国政府の方針が「想定外」なほど変わり、工場の稼働率抑制に真剣に取り組むようになり、このトレンドは続くと見られるという。

この報道について、中国のネットユーザーからは「中国の環境規制が日本メーカーに影響を与えるのなら、真っ先に中国国内のメーカーの半数が倒産に追い込まれているはずだ」「広州のあたりではすでに多くのメーカーが倒産した」などの声が上がっていた。

また「(中国の環境規制は)すべて形式的なもの。(中央政府が汚染物質を排出する企業や事業所を取り締まるため派遣する)監察チームが立ち去るとすぐ、環境は彼らが来る前と同じに戻るか、それ以上に悪化する」と主張する人もいた。(翻訳・編集/柳川)

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