人民網日本語版 2018年8月2日(木) 9時40分
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2020年7月24日に開幕する東京五輪まであと2年に迫ったが、日本では今年、全国的に「危険な暑さ」になっており、世界では東京五輪開催への懸念が広がっている。
気象庁によると、埼玉県熊谷市で7月23日、観測史上最高の気温41.1度を観測した。共同通信社の報道では、東京都監察医務院によると、東京23区内では7月に入ってから24日までに熱中症で男女71人が死亡、うち60代以上は約83%を占めた。また、16~22日の1週間に熱中症で病院に搬送された人の数は、47都道府県で2万1000人以上に達した。
■「危険な暑さ」が生活に影響
日本では7月23日、今年一番の暑さとなり、その暑さは「命の危険」を感じるほどのレベルとなった。史上最高の気温を観測する酷暑となり、熱中症で病院に搬送される人の数や亡くなる人の数も増加の一途をたどっている。共同通信社の報道によると、東京では、熱中症によって亡くなった71人の大半が高齢者や子供だ。また、東京と大阪で70代と80代の高齢者夫婦2組が熱中症によって亡くなっているのが自宅で発見されたほか、愛知県では校外学習の小1男児が熱射病で死亡した。
日本の高齢者の多くは「節電、節約」の意識が高く、クーラーをつけることをあまり好まない。また、政府が企業に対して、エネルギーの浪費を避けるよう求めているため、公共施設の空調設備が十分に整っていない。日本政府が2017年に発表した調査結果によると、全国の公立小中学校のエアコン設置率は42%にとどまり、ほとんどのマンションにはセントラル空調システムが設置されていない。
米CNN(電子版)の報道によると、米気象情報提供会社・アキュウェザーの創始者で気象学者のジョエル・マイヤーズ氏は、「日本の一部の地域は、猛暑になることが少ないため、エアコンがあまり普及していない。つまり、熱波に襲われると、人々はクーラーのきいた場所を見つけて暑さを避けることができないということだ」と指摘する。
全国で記録的猛暑となり、人々の日常生活にも影響が出始めている。CNNの報道によると、京都の祇園祭の後半を彩る24日の花傘巡行が、記録的な猛暑が続いているため、中止となった。また、全国の学校が運動や部活動を中止している。
■「高齢」と「貧困」が危険度をアップ
米FOXニュースによると、日本列島の上空に高気圧が停滞しており、温かく湿った空気と寒気の循環が妨げられているのが今回の猛暑の原因だという。その他、東京などの都市のヒートアイランド現象も猛暑に拍車をかけている。
記録的な猛暑は、直接死の原因となることもあるものの、病気を悪化させて死に至らせることの方が多い。マイヤーズ氏は、「喘息や心不全などの患者にとっては、猛暑が病状を悪化させる原因になり、脅威となる」と分析する。
高齢化が深刻な日本社会では、記録的な猛暑が高齢者にとって健康を脅かす脅威になっており、それが社会問題にさえなっている。総務省の統計によると、18年3月1日の時点で、65歳以上の高齢者の数は人口全体の27.9%を占める3534万人に達している。また、高齢者の経済的な問題も日に日に際立つようになっている。経済協力開発機構(OECD)が15年に発表した統計によると、所得が日本人の平均所得の半分以下の高齢者が21.5%に達し、「貧困」の状態にある。もしかすると、今回猛暑が原因で亡くなった高齢者の背後には、「高齢」に加えて「貧困」という問題もあったのかもしれない。
■対策を講じて五輪開催へ
記録的な猛暑は、20年の東京五輪にも影響を与えそうだ。日本の英字新聞「The Japan Times」の報道によると、日本の気象予報士や専門家は、猛暑が今後数年にわたって常態化する可能性があると警告している。今後、毎年夏になると、日本は連日の猛暑に襲われるようになり、東京五輪開催にも大きな試練をもたらすことになりそうだ。
東京五輪は20年7月24日から8月9日まで開催される予定だ。今年4月、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ副会長は東京訪問中に、「酷暑は確かに、東京五輪委にとって大きな課題となる。東京五輪組織委員会には、対応策を講じるよう求めている」と述べた。
また、観測史上最高の気温が観測されているのを受け、IOCは、マラソンは午前7時スタートとするなどといった各競技の日程案を承認した。男子50キロ競歩は午前6時、馬術は夕方以降のスタートとなる。また、東京は暑さ対策として、道路の温度上昇を抑える「遮熱性舗装」に本腰を入れているほか、ミストを発生させる休憩スペースや緑化した通路といった「クールスポット」の設置を計画している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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