アベノミクスとの違いは?韓国経済を苦しめる文大統領の「Jノミクス」に不満続出

Record China    2018年9月5日(水) 6時50分

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3日、「人中心の持続可能な経済をつくる」として始まった文在寅大統領の経済政策「Jノミクス」について、韓国・時事ニュースは「韓国経済の暗礁となっている」とし、その問題点を指摘した。写真はソウル。

2018年9月3日、「人中心の持続可能な経済をつくる」として始まった文在寅(ムン・ジェイン)大統領の経済政策「Jノミクス」について、韓国・時事ニュースは「韓国経済の暗礁となっている」とし、その問題点を指摘した。

Jノミクスは、大企業中心の経済から人中心の経済にパラダイム転換することに重点を置いていた。「低所得・中産層の所得を増やせば消費が拡大する」という所得主導の成長と、新産業分野を発掘して企業の競争力を育てる革新成長が政策の基調だ。しかし国民の実感度は低く、韓国政府も「パラダイム転換の効果が出るまでには時間が必要で、企業活力の弱化、利害対立などにより革新成長は実感できるほどの成果を上げられていない。低所得層の雇用・所得の改善も進まず、両極化など国民の生活はまだ苦しい状況」と認めているという。

韓国政府は、心理的な“最終防衛ライン”だった経済成長率3%を自ら崩した。来年の成長率を今年より0.1%低い2.9%と予想した。投資の不振、米中貿易紛争の激化、原油価格の上昇など対内外リスクの拡大により、下半期の輸出・消費の回復の勢いが鈍化するとみているという。記事は「何よりも雇用市場の未来のための設備投資が低迷している」とし、「政府が今の状況を解決するために努力しなければ、成長や雇用の不振は続くだろう」と指摘している。

韓国政府は、文大統領の選挙公約である「2020年に最低賃金1万ウォン(約1000円)達成」と、週52時間勤務制などで所得を引き上げ、消費を増やすという所得主導の成長を推進してきたが、急激な最低賃金の引き上げは、零細自営業者とアルバイト間の対立をあおることになった。生存危機に陥った自営業者からは強い反発の声が上がり、Jノミクスの実効性に疑問を呼んだ。そのため文大統領は最近、Jノミクスの核心だった「所得主導の成長」の代わりに「包括的成長」を強調しているという。一部では「政府はこれまでの政策を捨て、企業に優しい環境を作るための規制改革を中心とする包括的成長政策に方向転換する」との分析も出ているという。

ただ学界からは「所得主導の成長と包括的成長は全く別の概念だが、文政府は区別せず一緒に使っている」との声も上がっている。ある大学教授は「包括的成長に転換するなら、他の政策も変えざるを得ない」と指摘した。別の教授も「所得主導の成長が実際の成長のスローガンなのか、それとも政治的に名前を付けただけなのか、経済学的な観点では誤解が生じる可能性がある」と指摘したという。

Jノミクスについては、韓国のネットユーザーからも「順調に雇用を創出している日本や米国と違い、韓国の関連指標は悪過ぎる」「文大統領も、所得主導の成長は不可能ということに気付いているはず」「韓国はガラパゴス経済に閉じ込められた」「統計操作に税金中毒…。無能な文政府は長期休暇でも取得したら?。いっそいない方がまし」など不満の声が数多く上がっている。

また「所得主導の成長は虚像だ。生産を中心に成長し、そこに付随するものが所得。所得だけを強調したら一体誰が生産する?。根が枯れた木の葉を生い茂らせようとしているようなもの。今からでも、私企業を支援すれば雇用は自然に増えていく」「アベノミクスが成功した理由は、経済学者の助言を聞いたから。それに比べて韓国政府は、最低賃金の引き上げなど『先進国も失敗したからやめなさい』と言われたことを選んでやっている」「最低賃金の引き上げには賛成だけど、速度調節が必要。もう少しゆっくり進めても、時間が経てば目標を達成できる。なぜそのことに気付かない?」などと指摘する声も見られた。(翻訳・編集/堂本

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