<南シナ海>三沙市はさらなるインフラ整備が必要、今のままでは大規模な軍隊は養えない―中国紙

Record China    2012年7月25日(水) 6時23分

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23日、中国紙・環球時報は、南沙、西沙、中沙の3諸島を管轄する海南省三沙市について、「これ以上大規模な部隊を配備するためには、インフラのさらなる整備が必要」と論じた。写真は24日、西沙諸島の永興(ウッディー)島で行われた三沙市の成立を祝う記念式典。

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2012年7月23日、中国共産党機関紙・人民日報系の国際情報紙「環球時報」は、南沙(スプラトリー)、西沙(パラセル)、中沙(マクルスフィールド)の3諸島を管轄する地方自治体・海南省三沙市について、「これ以上大規模な部隊を配備するためには、インフラのさらなる整備が必要」と論じた。以下はその内容。

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我が国は三沙市の設立をめぐり、20年間も慎重に検討を重ねた。だが、ベトナムが南沙、西沙の主権を盛り込んだデタラメな海洋法を可決したことにより、ついに我慢の限界を超え、同市の設立という反撃に出ることにした。国民もかなりの期待を寄せていることだろう。

ここ数日の間に三沙市では軍が管轄する「警備区」が設けられ、市長も選出された。これは当然、喜ばしいことなのだが、管内のインフラ状況を見ると、今のままではこれ以上部隊を増やすことは難しい。西沙の甘泉島に小さな淡水井戸が1つあるだけで、市内のどこにも淡水がないのだ。

飲み水、食糧、果物、野菜、肉、卵などの生活必需品は補給船に頼っているのが現状。西沙最大の島、永興(ウッディー)島では1日4000キロワット時の電気が不足している。天候不良で補給船が向かえなければ、島民や兵士らは食べる物にも事欠く事態に陥ってしまう。

そのため、三沙市のインフラ基盤の整備を急ぐ必要があるだろう。例えば、西沙の島々に大きめの埠頭や永住可能な宿舎、飲み水や食料を備蓄できる大型のタンクや倉庫、海水を淡水化する装置や発電設備などを早急にそろえるべきだ。各島に防衛任務に適した艦船を配備するほか、さらに性能の高い補給船や民用の埠頭、補給船、空港も作る必要がある。

すべてを実現させるにはかなりのコストと時間が必要だろう。だが、主権を守るための十分な決意と意志があれば必ずや成し遂げられる。さらに部隊の育成も必要だ。武器を携えて12カイリ領海内に侵入してくる外国船や12カイリ領空内に侵入する外国軍機に警告またはそれ以上の強硬手段にでなければならない。これが三沙防衛部隊の日常任務になる。

もはや今までの中国とは違う。三沙市と三沙警備区の設立は、中国が南海諸島および周辺海域の主権をさらに積極的に断固として守りぬくという姿勢を表明したことに間違いない。

三沙市は中国の海洋主権を守るという特殊な任務を背負っている。中国の他の都市のような経済建設を中心とする発展モデルは適さない。三沙市の建設は中国にとって全く未知の課題である。同市に対する政治的評価も他の都市とは違う観点から下す必要があるだろう。(翻訳・編集/NN)

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