Record China 2018年8月10日(金) 0時30分
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海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦「かが」が8月末にも南シナ海とインド洋に長期派遣される。やはりヘリ空母とされる16年の「いせ」、17年の「いずも」に続くもので、海洋進出を強める中国を念頭に定例化した。写真はヘリ空母「かが」。
2018年8月9日、海上自衛隊はヘリコプター搭載の大型護衛艦「かが」を8月末にも南シナ海とインド洋に長期派遣する。やはりヘリ空母とされる16年の「いせ」、17年の「いずも」に続くもので、海洋進出を強める中国を念頭に定例化した。日本や米国が推し進める「自由で開かれたインド太平洋戦略」の一環でもある。
「かが」は昨年3月に就役した新鋭艦で、全長248メートルの全通式甲板を備え、最大幅38メートル、満載排水量2万6000トン。最大10機のヘリを搭載し、同時に5機が離着陸できる。統合垂直離着陸機「オスプレイ」の運用も可能だ。艦名は太平洋戦争中の1942年6月、ミッドウェー海戦で沈没した旧日本海軍の空母「加賀」を引き継いでいる。
日本メディアによると、今回の約2カ月間の派遣で「かが」はフィリピン、インドネシア、インド、スリランカなどに寄港。これらの国と合同訓練や米軍との対潜水艦共同訓練などを予定している。
日本政府関係者は「これは日本が進める『自由で開かれたインド太平洋戦略』の努力の一つだ」とも説明。一方で「米軍のまねはしない」とも述べ、中国が領有権を主張する南シナ海の島しょから12カイリ以内に立ち入る「航行の自由作戦」の可能性は否定している。
海自は16年に「いせ」を南シナ海に派遣。17年には「いずも」を南シナ海とインド洋へ3カ月間長期派遣し、日米印の共同訓練「マラバール」にも参加させた。「いずも」は派遣中の同年6月、報道陣と東南アジア諸国連合(ASEAN)10 カ国の士官を乗せ、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島近くを航行。その際、中国軍のレーダー監視を受けている。
中国はヘリ空母の南シナ海とインド洋への長期派遣を「航行の自由作戦」を補完する「哨戒活動」とみなして警戒。中国メディアによると、軍関係者は「南シナ海沿岸国への訪問やインド軍との軍事演習が日本の軍事プレゼンスの恒常化を意味するなら、対抗措置を検討せざるを得ない」と警告している。
AFP通信によると、中国は日米の動きに対抗。中国とASEANが策定を進めている南シナ海における「行動規範」草案の中で、ASEAN加盟10カ国の首脳に対し、定期的な合同軍事演習への参加を呼び掛けている。
さらに、「かが」などは甲板の塗装を変えて耐熱性を上げる改修をすれば、垂直離発着型のF35B最新鋭ステルス型戦闘機を搭載でき、「空母化」される。防衛省は4月末、F35Bの発着や格納が可能かどうか「いずも」の能力向上に関する調査内容を公表するなど、空母化が現実味を帯びてきており、この点も中国を刺激している。(編集/日向)
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