Record China 2018年8月10日(金) 5時20分
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中国が新たに就役させる055型駆逐艦のうち1隻が「台北」と命名されるとの見方が出ている。中国からは歓迎、台湾からは反発の声が出ている。写真は7月に進水した055型駆逐艦。
自由電子報や中時電子報などの台湾メディアは、8日ごろから、中国が新たに就役させる055型駆逐艦のうち1隻が「台北」と命名される可能性があると報じた。中国では歓迎の声が出ているが、台湾では反発が出ている。
055型駆逐艦は中国海軍の新型駆逐艦で、すでに4隻が進水しており、4隻が建造中とされる。同型艦は全長が約180メートル、幅は約20メートルで満載排水量は1万3000トン程度。米国防省は同型艦をその規模から、巡洋艦に位置づけている。
中国海軍の規則によると、駆逐艦と護衛艦は中国の大中都市の名をとって命名するという。中国が駆逐艦などを急速に建造していることもあり、省都(民族自治区政府所在地を含む)の名で残されているのはチベット自治区のラサ、広西チワン族自治区の南寧、江西省の南昌、さらに「台湾省」の台北しか残っていないとされる。
中国の軍艦は軍への引き渡しの際に正式に命名され、発表される。055型駆逐艦については、2017年6月に進水した一番艦が「南寧」の名になるとされている。また、中国メディアの観察者によると、ラサ市では新たな駆逐艦名について、市民から市当局に対して、「これまで採用がなかったラサ市の名を採用してほしい」「海軍に命名を申請する万全の策を取ってほしい。怠慢すればラサ市民、チベット人民とって申し訳ないことになる」との投書があり、当局側は同投書に感謝するとともに、海軍の某部隊と新駆逐艦の名を「ラサ」とすることで、基本的に合意していると回答したという。
中国側としては、「台湾は中国の一部」と強く主張しているだけに、「台湾省の省都である台北」の名を軍艦名として避ければ、「不自然」ということにもなってしまう。中国の軍事専門家である杜文龍(ドゥー・ウェンロン)氏は微博(ウェイボー、中国版ツイッター)で、駆逐艦を台北と命名するのは、選択肢の中にあると論評した。
同書き込みに対しては「必須だ」「台北がよい」「(台北という命名が)現実になってほしい。一種の位置表示だからね」といったコメントが寄せられている。
一方で、ツイッターでは台湾人と思われるユーザーからの反発の声を見ることができる「台北人がどう思うのか分かっていない」「われわれはとても不愉快だ」といった書き込みだ。
なお、中華民国海軍(台湾海軍)は小型のフリゲートに承徳(河北省)や武昌(湖北省)など中国の地名を使い続けている。大型の軍艦では張騫や班超など中国史上の人物名や台湾の地名を使っている。(翻訳・編集/如月隼人)
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