米中貿易戦争の余波、サトウキビ栽培を次々にやめるブラジル農家

Record China    2018年8月17日(金) 13時50分

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ブラジルの華字メディアによると、中国が米国産大豆25%の追加関税を課したことで、ブラジルでは多くの農家が大豆栽培を「商機」と見て、これまでのサトウキビ栽培をやめ、大豆に転作している。

ブラジルの華字メディア、南米華僑網は15日、中国が米国産大豆25%の追加関税を課したことで、ブラジルでは多くの農家が大豆栽培を「商機」と見て、これまで数十年も続けてきたサトウキビ栽培をやめ、大豆に転作していると報じた。

ブラジルは砂糖生産大国だ。2014年実績ではサトウキビ生産量が全世界の38.8%の約7億3700万トンで、2位のインド(18.5%、約3億5200万トン)を大きく引き離している。粗糖輸出量も13年実績で全世界の43.1%の約2760万トンで、やはり2位のタイ(9.3%、623万トン)に比べて圧倒的に多い。

しかしブラジルではこのところ、製糖産業が不景気で農家も苦しんでいたという。そのため、サトウキビから大豆への転作が始まった。

中国との関係で言えば、2017年には「大豆輸出の躍進」が始まっていた。同年における中国の大豆輸入のうち、ブラジルからの輸入は輸入量全体の53.3%を占める5093万トンで、国別で第1位だった。一方で、米国からの輸入は3290万トンで、占有率は34.4%で2006年以来の最低となった(発表された統計により数字には差異がある)。

中国が大量の大豆を必要とする大きな理由は、豚などの家畜の飼料にするためだ。その背景には、人々の暮らしが豊かになってきたことに伴い、肉類への需要が上昇していることがある。ブラジル産大豆はたんぱくしつ含有量が多く、比較的安価なので競争力があるという。

南米華僑網によると、中国が米国産大豆に追加関税を課したことで、中国人業者が南米産大豆の買い付けに、さらに力を入れるようになった。そのため、ブラジルでも大豆価格は上昇した。すでに大豆に転作した農民のひとりは、数十年にわたる製糖工場との契約を破棄した時には「ばくち」と思ったが、今は正しい判断をしたと思っている。

ブラジル政府によると、同国における大豆の作付面積は過去2年間で200万ヘクタール増加し、サトウキビの作付面積は40万ヘクタール減少した。なお、2017年時点における日本の耕作面積は444万4000ヘクタールだ。

2018年上半期(1~6月)におけるブラジルから中国への大豆輸出は前年同期比6%増の約3600万トンだった。7月単月では前年同月比46%増の1020万トンだった。(翻訳・編集/如月隼人

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