コスト高で急増する中国企業の海外進出、そのメリットとリスクとは―ロシアメディア

Record China    2012年8月12日(日) 17時28分

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8日、中国では国内の人件費と原料コストの上昇が続き、ここ数カ月で海外に工場を建設する企業が急増しているという。写真は2011年4月、北京で開催された中国企業海外投資会議。

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2012年8月8日、ロシアラジオ放送ボイス・オブ・ロシア(VOR)によると、中国では国内の人件費と原料コストの上昇が続き、ここ数カ月で海外に工場を建設する企業が急増しているという。環球時報(電子版)が伝えた。

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表面的には2000年頃から始まった「走出去」と呼ばれる海外進出戦略に符合するように見えるが、現在は世界的に影響を与える地政学的観点、そして経済的計算という、全く別の動機によって海外への投資が行われている。他国で工場を建設する方が国内で生産するよりも有利になるケースが多く、投資の目的は天然資源の獲得ではなくなってきている。現在では中小企業も海外進出を検討しているという。

モスクワ大学アジア・アフリカ研究所のアンドレイ・カルネエフ副所長は、「世界の工場としての優位性を失いつつある中国は、新たな成長モデルを模索している。われわれは、中国と他の国の絶え間ない変化の段階にいる。中国が外国からの投資を集め続けているのとは反対に、中国企業は人件費の安い国に活路を求めようとしている。奇妙なことだが、長年にわたって経済学者たちは中国の競争力は持続可能か、あるいは第三国への生産移転を迫られるのかという問題を議論し続けていた」とコメントしている。

中国からの資金は、隣国であるインドやバングラデシュ、東南アジア諸国へと向かっている。現在東南アジアでの生産コストは、中国の先進的工業地帯よりも60%安く、企業側もこれらの国が外資誘致のために設定した優遇税制を重視している。ベトナムでは外資企業は3年間の免税、その後2年間の税もわずか2%だ。さらに、東南アジアへの移転により、欧州連合(EU)が中国に対して設けた貿易障壁や反ダンピング税の対象から外れることになる。

中国の投資企業は、東南アジアで合資会社を設立することには消極的で、ほとんどが100%の独資で展開している。銀行からの融資が受けやすいといった理由で、合資会社の設立を検討しているケースもあるが、東南アジアへの投資は、その環境や現地法の特殊性に直接関係してくるだけでなく、当該国と中国との関係にも大きな影響を受ける。東南アジアには中国と領土問題を抱えている国が多く、企業の移転には潜在的なリスクが存在することは間違いない。(翻訳・編集/長河)

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